「この世界は、本当に目に見える通りの姿をしているのだろうか?」
私たちは、朝起きてから眠りにつくまで、疑いようのない「固い現実」の中で生きています。椅子に座ればその冷たさや硬さを感じ、壁にぶつかれば痛みを感じる。
この物質的な確信こそが、私たちの日常を支える土台です。
しかし、ジェーン・ロバーツを通じて語られた『セスブック 初期SESSION 第3巻』において、セスはこの「確信」を根底から揺さぶる、さらに深遠な真理を明かします。
前シリーズ(第2巻)では、この世界が「迷彩(カムフラージュ)」であることを学びました。
第3巻では、その迷彩がいかにして「製造」されているのか、その舞台裏にあるエネルギーの変換プロセスが、まるで精密な科学論文のような緻密さで語られます。
私たちが「静止している」と思い込んでいる物質は、実は一瞬たりとも静止しておらず、宇宙規模の巨大な「脈動(パルス)」によって、出現と消滅を繰り返しているというのです。
私たちの知覚の限界を超え、思考が指先に触れる物質へと変わる瞬間の、驚異のドラマをのぞいてみましょう。

本記事のラジオ形式の音声版をご用意いたしました。
文章を読む時間がない時や、リラックスしながら内容を深く味わいたい時などにご活用いただければ幸いです。
1. 現実は「点滅」するエネルギーのダンスである [Session 91]
私たちが「物質」と呼んでいるものは、絶え間なく続く連続体ではありません。
それは、超高速でオンとオフを繰り返す、エネルギーの「脈動(パルス)」の結果です。
セスによれば、私たちの宇宙は、ある一定のリズムで「物質化」し、次の瞬間には「非物質の状態」へと戻る、というプロセスを無限に繰り返しています。
この点滅の速度があまりに速いため、物理的な五感しか持たない私たちは、その隙間(オフの状態)を感知することができず、あたかも世界がずっとそこに「存在し続けている」ように錯覚しているのです。
この「脈動」を理解することは、単なる知的好奇心を満たすことではありません。
それは、「思考(内なるエネルギー)」がいかにして「体験(外的な現実)」へと翻訳されるのか、その主導権が常に私たちの内側にあることを論理的に受け入れるための第一歩となります。
私たちは、この点滅するリアリティの映画を、自らのエネルギーの強さ(Intensity)によって映し出している、いわば「宇宙の映写技師」なのです。
2. 思考の結晶化:エネルギーがいかにして「物質」へと翻訳されるか [Session 87, 100]
「思考が現実を創る」という言葉は、今やスピリチュアルの世界では常識となっています。
しかし、セスはそれを抽象的な比喩としてではなく、厳密な変換プロセス(トランスダクション)として説明します。
私たちが何かを考えるとき、それは単に頭の中の「電気的な火花」で終わるのではなく、精巧な多次元的回路を通じた「物理的な製造工程」が同時に始まっているのです。
思考という純粋な内なるエネルギーが、物理的な物体として「結晶化」し、私たちの五感に触れる「迷彩」となるまでには、以下のような緻密なステップが存在します。
化学的・電磁的なブリッジ(架け橋) [Session 102]
思考は、まず脳という物理的な装置を介して、特定の「電磁的なパターン」へと変換されます。
このプロセスは、非物質的な意識と物理的な生体組織を繋ぐ「ブリッジ」として機能します。
- 感情による活性化:
思考が単なる論理的な文字列ではなく、「強い感情(Intensity)」を伴うとき、それは強力な磁気を帯び始めます。
感情は、思考を物質化のレールに乗せるための「燃料」であり、その強さが磁力の強さを決定します。 - 化学的翻訳:
この電磁的なパターンは、神経系というトランスデューサー(変換器)を通じて化学物質(神経伝達物質やホルモン)へと即座に翻訳されます。
これにより、細胞レベルの意識に対して「どのような物質的形態を構築すべきか」という具体的な設計図が提示されます。 - 内なる振動の物質化:
最終的に、そのエネルギーは「内なる感覚」の通路を通り、私たちの目に見える「迷彩(物質)」としてこの三次元空間に投影されます。
このとき、思考のエネルギーは物理法則という「迷彩の衣」をまとい、初めて私たちに「手応えのある現実」として知覚されるようになります。

最も重要な鍵:エネルギーの「強烈さ(Intensity)」 [Session 100]
このプロセスにおいて、物質化の速度と鮮明さを決定づける最も重要な要素が「強烈さ(Intensity)」です。
セスは、「ある思考がどれほど速く物質化するかは、その思考に込められた感情的な強さに正比例する」とはっきりと述べています。
- 加速の例(不調の具現化):
例えば、ある特定の病気に対する「強烈な恐怖」を抱き続けるケースを考えてみましょう。
セスによれば、恐怖はエネルギーを一点に凝縮させる、非常に密度の高い磁石のような働きをします。
この強い不安が持続すると、そのエネルギー密度は臨界点に達し、個々の細胞が持つ意識に対して「不調という形態を今すぐ構築せよ」という強力かつ明確な電磁的命令として降り注ぎます。
結果として、本来は点滅するパルスの一部に過ぎない肉体が、その負の強烈さに引きずられるようにして、驚くほど短期間のうちに具体的な病状(物質化)を形成してしまうのです。
これは、私たちの防衛本能が「迷彩」としての肉体に対し、誤った設計図を強烈に押し付けた結果と言えるでしょう。 - 創造の例(調和の具現化):
逆に、魂の底から湧き上がるような純粋な喜びや、深い確信を伴うインスピレーションも、負の感情に劣らぬ圧倒的な「強烈さ」を秘めています。
ポジティブなエネルギーが持つ高い振動数は、物理的な迷彩が本来持っている「変化への抵抗感(慣性)」を驚くほど滑らかに中和し、現実を最小限のタイムラグで再編する力を持っています。
例えば、解決不可能に思えた状況が、一瞬の直感と確信によって奇跡的なシンクロニシティを伴って書き換えられるのは、このポジティブな強烈さが迷彩の密度を透過し、直接的に次のパルスの配置を決定したからです。
エネルギーが十分に強ければ、物理的な制約という名の「抵抗」は、雪が太陽に照らされて溶けるように消え去ります。
思考は「物体」そのものである [Session 87]
驚くべきことに、セスは「思考は非物質的なものではない」と強調します。
思考そのものが、物理的な次元とは異なる層において、既に明確な「形」と「重み」を持ったエネルギー的な物体(Energy-Object)なのです。
私たちが物理的な机や椅子を「本物」だと捉えるのは、それが迷彩の服をまとっているからに過ぎません。
実際には、思考という「内なる物体」が先に作られ、そのエネルギーが十分に凝縮されたときに、物理的なリアリティというフィルターを通って私たちの世界に現れてきます。
つまり、私たちの目に見える世界は、目に見えない次元で既に完成している「思考の青写真(ブループリント)」が、物理的周波数に変換されて映し出された影のようなものなのです。
3. 宇宙の脈動(パルス):物質化の周期性と「オフ」の領域 [Session 91]
第3巻で最も衝撃的な内容の一つが、セッション91で語られる**「宇宙のパルス(脈動)」**の概念です。セスはこの現象を説明するために、現代のデジタルデバイスの「リフレッシュレート」を先取りしたような、驚くべき宇宙の仕組みを明かしています。
現実は「点滅」している
私たちが「時間」と呼んでいるものの背後には、意識エネルギーの巨大なオン・オフのサイクルがあります。
これは単なる比喩ではなく、私たちの存在そのものが一秒間に何億回という単位で、物質界に出現し、消滅しているのです。
- オンの状態:
意識が物理的な迷彩(物質世界)に強くフォーカスし、エネルギーが具体的な形として結晶化している状態。
これが私たちの日常的に知覚している「現実」です。 - オフの状態:
意識が物理的な次元から引き戻され、本来のエネルギー的な「源(ソース)」に戻っている状態。
このとき、肉体や物質はエネルギー的な「下書き」の状態へと一時的に還元されています。
セスはこれを、映画のフィルムに例えています。
映画が静止画の連続であるのと同じように、私たちの現実は「存在の瞬間」と「非存在の瞬間」の連続です。
私たちが「オフの状態」にいるとき、そこは決して空虚な場所ではなく、次の物質化の瞬間に向けてエネルギーを補給し、複雑な計算を行い、内なる自己と対話している「創造の楽屋」のような領域です。
物理的な脳は「オンの状態」の迷彩情報を処理するように設計されているため、この「オフの状態」を自覚的に記録することはできません。
そのため、私たちの主観的な記憶の中では、時間は寸断されることなく、常に滑らかに繋がっているように見えるのです。

このパルスを知ることの恩恵
この「点滅」という宇宙の鼓動を知ることは、私たちのリアリティに対する感覚を根本から変容させます。
- 変化の可能性(キャンバスの刷新):
現実が「一度作られたら変えられない固い固定物」ではなく、一瞬ごとに構築される「点滅するプロセス」であるなら、私たちは次の点滅の瞬間に、全く新しい現実を投射することが理論上可能です。
過去の延長線上にある不快な現実を「維持」する代わりに、新しい意図を持って「刷新」された世界を描き出すチャンスが、一秒間に何度も訪れているのです。 - 不滅の安心感(死の再定義):
この視点に立てば、私たちは一瞬ごとに「死(非存在)」と「生(存在)」を繰り返していることになります。
つまり、いわゆる物理的な「死」とは、特別な悲劇や恐怖の対象ではなく、宇宙のパルスにおける「少し長いオフの時間」への移行、あるいは焦点を変えるプロセスに過ぎません。
私たちは存在しない瞬間をすでに無数に経験しており、そのたびに新しく生まれ変わっている。
この事実こそが、魂の永続性に対する究極の証明となります。
4. 心理的時間(Psy-Time)の深化:なぜそれが「健康」に直結するのか [Session 94]
第2巻で紹介された「心理的時間(Psy-Time)」のトレーニングですが、第3巻ではその肉体的な効能について、より具体的な解説がなされています。
セスの主張によれば、私たちの肉体的な老化や病気の多くは、意識が「物理的な時間という迷彩」に固執しすぎた結果生じる、エネルギー的な硬直に端を発しています。
時計の時間(迷彩時間)からの解放

私たちは、時計という「迷彩の時間」に無意識のうちに縛られています。
例えば、「もう○歳だから体が衰えるのは当然だ」という加齢への信仰や、「締め切りまで時間が足りない」という日々の焦燥感は、細胞が本来持っている「自発的な創造性」と絶え間ない自己更新のプロセスを著しく制限します。
本来、細胞にとって時間は存在せず、常に「今」という無限の瞬間に生きていますが、私たちが暦(カレンダー)という迷彩を絶対視することで、肉体はその誤ったタイムスケジュールに合わせて不自然に加速し、摩耗し始めます。
つまり、肉体を物理的な法則や社会的な期待の奴隷へと変えてしまうのは、私たちの信念なのです。
この精神的な硬直、すなわち「物事は固定されており、過去の延長線上にしか未来はない」という柔軟性の欠如は、単なる心理的な問題に留まらず、電磁的な回路を通じて文字通り血管の硬化や関節の硬直として肉体に転写され、固定化されていくのです。
Psy-Timeがもたらす「細胞の再調律」
心理的時間のワーク(時計の音を無視し、内なるリズムに没入するワーク)を数分間行うだけで、あなたの内側では「生物学的な奇跡」とも呼べる劇的な変化が起き始めます。
- 細胞のストレス解消(監督官の不在):
ワークを通じてエゴの注意が物理世界から逸れると、細胞の活動を「監視・制限」していたエゴという監督官がいなくなります。
すると細胞たちは、本来の「協力の法則」に基づいた自由で高度な自己修復作業を、誰に邪魔されることもなく再開できるようになります。
これは、細胞レベルでの自律的なヒーリングプロセスを最大限に活性化させる行為です。 - 柔軟性の向上(物理法則の解体):
思考が「固い物理法則」や「常識という名の迷彩」から解き放たれると、その情報の変化は電磁的なルートを通じて即座に全細胞へと伝わります。
「肉体は変化しうる柔らかいエネルギーである」という内なる知覚が深まるにつれ、関節の強張りが解け、組織の弾力性が回復していくのを実感できるでしょう。 - エネルギーの補給(源泉へのプラグイン):
前述の「宇宙のパルス」における「オフの状態」に近い状態を意識的に作ることで、あなたは日常的なエネルギー消費のサイクルから離れ、内なる宇宙という「無限の発電所」から直接、活力を引き出すことができるようになります。
この状態での数分間は、物理的な数時間の睡眠に匹敵する、質的な再充電を肉体にもたらします。 [Session 94]
セスは、1日5分でもこの心理的時間を行うことは、どんな高価なサプリメントや肉体的な休息よりも、肉体を若返らせ、意識の柔軟性を保つのに役立つと断言しています。
このワークを終えたとき、あなたは自分の肉体が以前よりも「軽く、浮揚感があり、活力に満ちている」ことに気づくはずです。
5. 確率論的宇宙の入り口:あなたが選ばなかった「別の自分」 [Session 98, 144]
第3巻の後半に向けて展開される壮大なテーマが、「確率(Probability)」の概念です。
セスは、私たちの人生が一本道の「運命」ではなく、無限の枝分かれを持つダイナミックな「可能性の樹」であることを明らかにします。
選択されなかった現実の行方 [Session 98]
私たちが人生の岐路に立ち、Aという道を選んだとき、選ばれなかったBという道はどうなるのでしょうか?
一般的には「選ばなかった道は存在しない」と考えがちですが、セスによれば、Bという道も決して消滅することはありません。
それは「確率的な現実」として、別の次元のフィールドにおいて実際に展開され、実り豊かな経験を積み重ねています。
- 同時進行する自己と「価値の成就」:
あなたというエンティティ(本体)は、この物理的な次元でAを体験している一方で、別の確率的なフィールドではBを、あるいはCを体験しています。
これは、魂が「あらゆる可能性を通じて自分を表現したい」という究極の欲求(価値の成就)を持っているためです。
一つの肉体、一つの人生だけでは学びきれない広大な宇宙の知恵を、あなたは「複数の自分」を通じて同時に、並行して吸収しているのです。 - 情報の浸透(情報のリーク):
これらの「別の自分」たちが得た経験や感情は、厚い壁に仕切られているわけではなく、無意識を通じて現在のあなたの元にも常に「浸透」し続けています。
- 直感の正体:
理由のない「嫌な予感」は、別の確率を生きるあなたが「そっちは危ないよ、私はそこで失敗したから」と教えてくれているサインかもしれません。 - 突然の才能:
練習もしていないのに特定の分野で驚くべき洞察を得る「突然のひらめき」は、別の確率でその道を極めたあなたからのエネルギー的なギフトである場合が多いのです。 - 夢の中の対面:
夢の中で、見知らぬ場所で全く別の生活を送っている自分を見ることはありませんか?
それは「想像」ではなく、別の確率的なリアリティを生きるあなた自身の活動を、エゴの検閲が弱まった夢の領域で直接目撃しているのです。
- 直感の正体:

「今」この瞬間、新しい確率へ飛び移る
私たちは、自分の過去によって現在の運命が決まっており、そこから逃げられないと考えがちです。
しかし、宇宙が常に「脈動(パルス)」し、一秒間に何度も新しく構築され直している存在であれば、私たちは「今」という広々とした現在において、意図を変えることで、全く別の確率的なラインへと意識の焦点を瞬時に移すことができます。
この「確率論的宇宙」という視点は、私たちを「過去の被害者」という宿命論から完全に解き放ちます。
- 現実のプロデューサー:
あなたは、無限にある可能性のテレビチャンネルの中から、どのドラマを見るかを自由に選べる視聴者であると同時に、その番組の内容を「今」この瞬間の思考と感情によって書き換え続けているプロデューサーなのです。
昨日のあなたが不幸だったとしても、今日の「今、この瞬間」のパルスにおいて、あなたは「幸せな自分」が展開されている確率的なラインへと、意識のチャンネルを合わせ直す自由を常に持っています。
この宇宙には「行き止まり」は存在しません。
あるのは、あなたの「意図」というライトをどこに当てるかという、終わりのない選択の冒険だけなのです。
6. まとめ:あなたは「エネルギーの指揮者」である
『セスブック 初期SESSION 第3巻(前編)』で語られた内容は、私たちの世界観を「物質中心」から「エネルギー中心」へと鮮やかに逆転させます。
- 現実は、超高速でオンとオフを繰り返す「宇宙のパルス」である。
- 思考は、感情的な「強烈さ(Intensity)」によって、電磁的・化学的に物質へと翻訳される。
- 心理的時間は、肉体を物理的迷彩の制限から解放し、真の健康を取り戻す鍵となる。
- 私たちは、無数の「確率的な自己」と繋がっており、常に新しい現実を選択できる。
この知識を手に入れたとき、私たちはもはや、環境や運命に翻弄される弱々しい存在ではなくなります。
あなたは、自らの内なるエネルギーというタクト(指揮棒)を振り、点滅する宇宙のパルスに合わせて、最高に美しい現実というシンフォニーを奏でることができる「意識の指揮者」なのです。
中編では、このエネルギーがより具体的に私たちの「肉体」というゲシュタルトをいかに形作り、そしてなぜ「病気」という迷彩を選んでしまうのかという、心身の健康の奥義について迫ります。

ブログを読んで、さらに見識を深めたいと思ったら、ぜひ本書を手に取ってみてください。
本書は英語版のみとなります。
参考・引用情報源:
- [参考: 書籍『The Early Sessions: Book 3 of The Seth Material』 Jane Roberts著 / Robert F. Butts記録]
- [参考: セス・ネットワーク・インターナショナル 公式サイト]
- [参考: カール・G・ユング著『分析心理学』]