セスブック1「セスは語る」の要約と解説(前編):「思考の物質化」と多次元的な魂への目覚め

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 もし、あなたが今見ているこの「現実」が、絶対的で固定されたものではなく、あなた自身の内なる世界の「鏡」だとしたら、どう思いますか?

 日々の生活、人間関係、健康、そして目の前にある物質的な世界そのものまでが、実はあなたの「思考」や「信念」によって形作られている──。

 この衝撃的かつ根源的な真実を、今から半世紀以上も前に、詳細かつ体系的に解き明かした一冊の本があります。
 
 それが、スピリチュアル史に金字塔を打ち立てた名著、『セスは語る』です。

 この本が示す**「あなたは、あなた自身の現実の創造主である」という法則は、まさに革命的でした。
 そしてこの普遍的な真理は、後年、多くの高次元存在によっても語られています。
 例えば、バシャールが繰り返し説く「観念(信念体系)が現実を創造する」という教えや、アシュタールが語る「個々の思考が現実を創造し、すべてを決めている」**という概念は、セスの教えと見事に共鳴し合う宇宙の根本原則なのです。

 このブログ(前編)では、このすべての原点とも言える『セスは語る』の世界へ深く探っていきます。

本記事のラジオ形式の音声版をご用意いたしました。
文章を読む時間がない時や、リラックスしながら内容を深く味わいたい時などにご活用いただければ幸いです。

目次

この本は、いったい「誰が」書いたのか?

 『セスは語る』の深遠な内容に触れる前に、私たちはまず、この驚くべき情報がどのようにしてもたらされたのかを知る必要があります。
 なぜなら、その物語自体が、私たちの常識的な世界観――時間、空間、そして人格の連続性という概念――を根底から揺さぶる、不思議な出来事から始まるからです。

セスの学びのセンターから出典
生前のジェーン・ロバーツ
出典 セスの学びのセンター

 この本の著者としてクレジットされているのは、ジェーン・ロバーツという一人のごく普通の女性です。
 詩人であった彼女は1963年9月のある夜、詩の執筆中に、突如として奇妙で圧倒的な体験をします。
 彼女の意識は時空を超えて拡大し、「観念構築体としての物理的宇宙(The Physical Universe as Idea Construction)」というタイトルと共に、膨大かつ深遠な知識の奔流が、彼女の内側に流れ込んできたのです。
 それは単なるインスピレーションではなく、世界の成り立ちそのものを見せられたような、人格を根底から変えるほどの体験でした。

合理的な精神と驚くべき現象の狭間で

 特筆すべきは、ジェーン自身がスピリチュアルな探求に熱心な人物ではなかったという点です。
 彼女はむしろ懐疑的で、この現象に対して当初は恐怖さえ感じていました。
 彼女の合理的な精神は、自らに起きている超常的な出来事をなかなか受け入れることができず、その葛藤はセス・マテリアル全体を通して記録されています。
 この彼女の誠実な懐疑心こそが、この情報の信頼性を逆説的に高めているとも言えるでしょう。

 この不可解な体験の正体を探るため、ジェーンと画家の夫ロバート・バッツは、当時流行していたウィジャ盤(文字盤)を半信半疑で試してみることにします。
 すると、そこに現れたのは、驚くほど明晰で、ユーモアと威厳を兼ね備え、一貫した哲学を持つ一つの人格でした。
 その人格こそが、自らを「セス」と名乗る、肉体を持たないエネルギー存在だったのです。

 やがてウィジャ盤という物理的なツールは不要となり、ジェーンは深いトランス状態に入ることで、セス自身を直接チャネリングするようになります。
 ジェーンの口を通じて語られるセスの言葉を、夫ロバートが驚異的な集中力で一語一句克明に記録する――この夫婦の揺るぎない探求心と共同作業によって、人類の意識の進化に大きく貢献することになる膨大な「セス・マテリアル」が生み出されていきました。

出典 セスの学びセンター

では、セス自身は自分のことを何者だと語っているのでしょうか。彼は自らをこう定義しています。

「わたしは人格を有するエネルギー存在であり、もはや物質に心を奪われることはありません」

 セスは、かつて地球で何度も人生を経験し(その中には、3世紀のローマ帝国での商人としての生も含まれると語っています)、物理的な次元での学びを終えた、いわば「意識の教師」あるいは「意識の地図製作者」です。
 彼は、特定の宗教や団体に属さず、ただ私たち一人ひとりが自らの内なる力と真実を発見するための「地図」を提供するために、ジェーンを通じてコンタクトしてきたのです。

セスの語り口と、他の存在との比較

 セスの語り口は、時に大学教授のように理路整然とし、時に哲学者のように深く、そしてしばしばユーモアに富んでいます。
 彼は単に心地よい言葉を与えるだけでなく、読者やセッションの参加者に対して、知的な努力と内省を促します。
 この厳格さと愛情深さが同居するスタイルが、彼の大きな特徴です。

 彼のメッセージは、後年のバシャールやアシュタールといった存在の教えと比較すると、その役割がより明確になります。

  • セス:【宇宙の哲学者】
     「なぜ、どのようにして現実は創られるのか」という宇宙の根本的な構造と形而上学を、詳細かつ体系的に解説する。
  • バシャール:【実践的な物理学者】
     セスの哲学を基盤に、「ワクワクに従う」という、よりシンプルで実践的な行動指針(物理現実を生きるためのハウツー)を提供する。
  • アシュタール:【銀河の社会学者】
     個人の意識と地球全体の集合意識、そして銀河社会との関わりに焦点を当て、よりマクロな視点からのメッセージを伝える。

このように、セスは後続の教えの壮大な「理論的支柱」を築いた存在と位置づけることができるでしょう。

セスが語る世界の基本法則:「あなたの思考が、形になる」

 セスの教えの根幹をなす、最も重要で革命的な概念。

 それが「あなたの思考や信念が、あなたの体験する物理的な現実を創り出している」という法則です。

 これは単なるポジティブシンキングのススメではありません。宇宙の仕組みそのものを解き明かす、意識の物理学なのです。

 私たちは普段、自分を取り巻く世界(家、街、自然、他者)を、自分とは無関係に存在する「外部の客観的な現実」だと信じて疑いません。

 しかしセスは、それは一種の精巧な「共同幻想」であり「カモフラージュ」にすぎないと断言します。

 より正確に言えば、あなたの内側にある思考、感情、信念、期待といった「意識の内容物」が、エネルギーとして外側に投影され、それがあなたの周りのエネルギーを特定の形に「結晶化」させたものが、あなたが「現実」と呼んでいる世界なのです。
 それはまるで、フィルム映写機(あなたの意識)が、スクリーン(空間)に映像(現実)を映し出しているようなものです。

「あなたがたは自らの思考や期待、感情から、肉体を創り、世界を創るのです。(中略)個人的な思いが、あなたがたの知る物体になるのです」

 この法則を理解する上で重要なのは、「感情の強さ」と「信念の強さ」です。
 あなたが何気なく考えただけの、感情の伴わない思考が、即座に物質化するわけではありません。
 あなたが強く感情を込め、心の底から「これが真実だ」と信じ込んでいる信念こそが、あなたの現実を形作る強力な設計図となるのです。

力の源泉は「今、この瞬間」にある

 セス哲学のもう一つの核心は、「力の源泉は常に現在にある(The point of power is in the present)」という概念です。
 私たちはしばしば、過去の出来事に縛られ、「あのせいで今の自分はこうなのだ」と考えがちです。しかしセスによれば、過去が現在を決定しているのではありません。
 「現在、あなたが過去についてどう信じているか」が、現在のあなたを創っているのです。

 これは、過去は変えられないという常識を覆す、非常にパワフルな考え方です。
 過去の出来事そのものは変わりませんが、その出来事に対するあなたの現在の解釈、信念を変えることで、過去が現在のあなたに及ぼす影響を完全に変えることができるのです。
 あなたは「今、この瞬間」から、まったく新しい人生を創造し始めることができます。

パラレルワールド

 現代科学の多くは「脳という複雑な臓器が、意識という現象を生み出す」と考えています。

 しかしセスは、この関係性を180度覆します。
 「意識が脳を創造したのであり、その逆ではない」と。

 私たちの本質は、この肉体や脳という「乗り物」を操縦している、広大で永遠の「魂」そのものです。
 魂(意識)は、この物理次元を体験するために、自らのエネルギーを特定の周波数に落とし込み、肉体という高密度のエネルギー体を創造し、維持しています。
 アシュタールの言葉を借りれば、「物質はエネルギーが思考エネルギーによって刺激され、振動数をゆっくりにして固まったもの」であり、私たちの肉体こそがその最たる例なのです。

 そして、私たちの意識は、今この瞬間の、この肉体の中にすべてが収まっているわけではありません。
 それは魂という広大な意識の一部が、物理的な現実に焦点を合わせているにすぎません。あなたの意識の大部分は、時間と空間を超えた、文字通り「多次元的な領域」に同時に存在し、活動しているのです。

 セスの言う「過去世」や「未来世」でさえ、直線的な時間の過去や未来にあるのではなく、すべての人生は「今、この瞬間」に同時に存在していると彼は語ります。
 これが、私たちが「多次元的な存在」であることの真の意味です。
 バシャールの言う、無数のテレビチャンネル(並行現実)の中から一つを選んで見ている、という比喩は、このセスの概念を非常に分かりやすく表現しています。

「夢」はもう一つの現実への扉

 セスは、私たちが毎晩見る「夢」にも、極めて重要な意味があると言います。
 夢は、単なる脳内の情報整理や、満たされない願望のはけ口などではありません。
 それは、私たちの意識が物理次元の制約から一時的に解放され、より広大な内面宇宙を探検している、正真正銘の「現実の活動」なのです。

セスによれば、私たちは夢を意識的に活用することで、人生をより豊かにすることができます。

  1. 意図を設定する:
     眠りにつく前に、「〇〇の問題の解決策が欲しい」「〇〇について学びたい」「夢をはっきり思い出したい」と、心の中で具体的に意図します。
  2. すぐに記録する:
     枕元にノートとペン(またはスマホのメモ機能)を置いておき、目が覚めたら、体を動かす前に、覚えていることを何でも書き留めます。断片的な映像や感情、単語だけでも構いません。
  3. パターンを探る:
     記録を続けると、特定のシンボルや繰り返されるテーマに気づくようになります。
     それは、あなたの内なる自己からの重要なメッセージです。

 夢の世界で、私たちは日中の出来事を処理し、問題の解決策を探り、未来の可能性を試し、そして時には、より広大な自己(ハイヤーセルフ)や、他の次元の自己とコミュニケーションをとっています。
 夢は、あなたが「多次元的な存在」であることを、毎晩安全に体験できる壮大な訓練場なのです。

まとめ:意識の創造主になるための3つのステップ

今回の前編の内容を、明日からのあなたの現実に活かすための、具体的なステップをご紹介します。

  1. ステップ1:信念の探偵になる
     日常でネガティブな感情(不安、怒り、無力感など)が湧き上がってきたら、それをチャンスと捉えます。
     そして「今、私は何を『真実だ』と信じているから、この感情を感じているのだろう?」と自問します。
     (例:「どうせ私には価値がない」「お金はいつも足りなくなる」など)。
     まずは自分の「設計図」に気づくことが第一歩です。
  2. ステップ2:感情を羅針盤として使う
     ネガティブな感情を「悪いもの」として抑圧するのではなく、「現在地を教えてくれるナビゲーション」として扱います。
     その感情は、あなたの信念が、あなたの魂の本来の望みとズレていることを知らせるサインです。
     逆に、喜びやワクワク、安心感は、あなたの信念が魂の望みと一致しているサインです。
  3. ステップ3:想像力を意図的に使う
     一日に5分でも良いので、静かな時間を作り、あなたが本当に望む現実を、五感を使ってリアルに想像します。
     重要なのは、それが「既に実現したかのように」感じてみることです。
     その時の感情(喜び、感謝、安堵感)を深く味わいます。これは単なる空想ではありません。
     未来の現実の「エネルギー的な鋳型」を、今この瞬間に創造する、極めてパワフルな行為なのです。

 これらのステップは、あなたが人生の「傍観者」から「意識的な創造主」へとシフトするための、具体的で力強いトレーニングとなります。

 しかし、セスの壮大な物語はまだ序章にすぎません。
 もし私たちが永遠の魂であるならば、「死」とは一体何なのでしょうか?
 そして、私たちはなぜ、良いことも悪いことも含めて、この人生を体験するために生まれてくるのでしょうか?

次回、中編では、この誰もが抱く根源的な問いに迫ります。『セスブック1「セスは語る」の要約と解説(中編):魂の永遠性と「死後の世界」の驚くべき仕組み』で、魂の永遠の旅の壮大なドラマを紐解いていきます。

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