これまでのラー文書第一巻から第四巻では、「一なるものの法則」という壮大な宇宙哲学、意識の進化、タロット元型といった普遍的なテーマを探求してきました。
しかし、その記録の過程では、あまりに個人的であるという理由から、公開が見送られた質疑応答が存在しました。
この第五巻は、まさにその「封印された対話」の記録です。
研究グループのメンバー(ドン、カーラ、ジム)が直面した個人的な健康問題、精神的な葛藤、グループ内の力学、そしてコンタクトの具体的な困難など、生々しい現実に対するラーからの直接的な応答が収められています。
それらの「未公開フラグメント」の中から、特に研究グループがラーに投げかけた具体的な個人的質問と、それに対するラーの直接的な応答に焦点を当てていきます。
今回のラー文書五巻に関する内容の記事は、これまでのように前編と後編と分けずに、一つの記事にまとめました。
ブログと一緒に聞いてもらうと、より理解が深まると思います。
カーラの健康とエネルギーワーク:ラーの具体的な処方箋
繰り返される身体的苦痛:原因についてのラーの見解
第五巻のフラグメントでは、チャネル(媒体)であったカーラ・ルカート氏が抱えていた身体的な苦痛(特に腎臓の問題や関節炎、疲労感など)に関する質疑応答が多く見られます。
ラーはこれらの不調に対し、単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合っている可能性を示唆します。
それには、彼女自身の過去生からの持ち越し(カルマ的なパターン)、チャネリングという奉仕活動による生命エネルギーの消耗、そして彼女の奉仕を妨害しようとするオリオン等のネガティブな存在からのエネルギー的な干渉(霊的攻撃)などが含まれます。
特にラーは、カーラが「一なるものの法則」の光をもたらす「灯台」としての役割を担っているため、闇の勢力(オリオンなど)からのエネルギー的な攻撃を受けやすい状態にあることを指摘しています。
これは、光の奉仕には試練が伴うこと、そして目に見えないエネルギー的な影響が現実に存在することを示唆しています。
エネルギー的な攻撃とその防御法に関する質疑

ラーは、カーラやグループ全体をネガティブなエネルギー干渉から守るための、具体的な防御テクニックについても言及しています。
日常的に行うべきこととして、自身とグループ、そして家全体を「光」で囲む視覚化(ヴィジュアライゼーション)を推奨しています。
これは、バシャールが言う「プロテクションのシールド」を自分の意図で張ることに似ているかもしれません。
また、セッション前には、愛と光への奉仕の意図を明確にし、特定の言葉や祈りを用いること、部屋を浄化することなどの儀式が重要であると述べられています。これは、コンタクトの「通路」を清浄に保ち、望まない干渉を防ぐためです。
ラーは、最も強力な防御は、グループメンバー間の揺るぎない「調和」と、互いへのそして「一なるもの」への「愛」であると強調します。内なる光と調和が、外部からの闇を退けるのです。
具体的なエネルギーワークやバランシングの指示
第五巻のフラグメントでは、カーラの特定の症状やエネルギー状態に対して、ラーが非常に具体的で実践的な指示を与えている場面が多く記録されています。
これらは、彼女個人の状態に合わせた「処方箋」ではありますが、エネルギーバランスを取り戻し、自己治癒を促すための普遍的な原理に基づいています。
身体的アプローチ
ラーは、肉体の不調に対して、穏やかながらも意識的な身体的アプローチを勧めています。
例えば、特定のマッサージや指圧(自分自身で行うものも含む)、あるいは身体のエネルギーの流れを整えるための穏やかなストレッチや特定の姿勢(ヨーガのポーズに似たものを含む可能性)などが示唆されています。
また、自然の中を歩くことや、身体が必要とする休息を十分に取ることも、エネルギー的な観点から重要であると述べられています。
エネルギーワークと視覚化

瞑想や静かな時間の中で行うエネルギーワークについても、具体的な指示が見られます。
単に「光を送る」だけでなく、より意図的な働きかけが勧められています。
例えば、不調を感じる身体の部位(カーラの場合は腎臓など)に意識を集中し、そこに特定の治癒の色(例えば、癒しとバランスを促す緑色や、浄化と鎮静をもたらす青色や紫色など)の光が満ち溢れ、浸透していく様子を詳細に視覚化(ヴィジュアライゼーション)すること。
あるいは、自身のエネルギーセンター(チャクラ)の状態を感じ取り、詰まっていると感じる箇所があれば、そこに意識的に呼吸を送り込み、エネルギーがスムーズに回転し輝きを取り戻すのをイメージする、といったワークです。
食事と環境
食事内容に関しても、特定の食品(加工度の高いもの、過剰な糖分、あるいは体質に合わないとされるものなど)を避けるように、といった具体的な言及が含まれている可能性があります。
重要なのは、身体を「神殿」として敬い、感謝を持って栄養を与えるという意識です。
エイブラハムの教えにも通じますが、食べ物に対する「いい気分」もエネルギー的な影響を与えると考えられます。
また、物理的な環境を整えること、例えば、浄化された水晶(クリアクォーツなど)をベッドサイドやワークスペースに置くことで、エネルギーフィールドを安定させ、保護する助けとすることも提案されています。
精神的・感情的アプローチ
ラーは、身体的なワークと並行して、精神的・感情的なバランスを取ることの重要性も強調します。
不調の原因となっている可能性のある思考パターンや感情(恐れ、怒り、罪悪感など)に気づき、それらを受け入れ、赦し、手放していくプロセスへの言及が見られます。
これは、前編の他のセクションで触れた「触媒」への取り組みや、「赦し」の実践と深く関連しています。
これらの具体的な指示は、心・身体・霊が決して分離しておらず、私たちの健康と幸福は、エネルギー的なバランス、意識的な選択、そして日々の実践によって大きく左右されることを示しています。
そして、自己治癒と成長のためには、受け身で奇跡を待つのではなく、ラーからのガイダンスを指針としつつも、自らの意志と努力でバランスを取り戻していく姿勢が不可欠であることを教えてくれます。
ドンとジムへのガイダンス:質問者と書記の役割
質問者ドンの探求とラーからのフィードバック
質問者であるドン・エルキンズ氏の、知的好奇心に基づいた鋭い質問スタイルは、ラー文書の大きな特徴です。
フラグメントの中では、ラーがドンの質問の仕方、その背後にある意図や思考パターンについてコメントする場面が見られます。
ラーは、ドンの探求心を評価しつつも、時に「言葉の限界」や「第三密度の幻影に囚われた視点」を指摘し、より本質的な理解へと導こうとします。
例えば、物理学的な問いに対して形而上学的な視点を提示したり、分離的な問いに対して「一なるもの」の視点へと思考を促したりします。
これは、私たちが真理を探求する上で、既存の知識体系や思考の枠組みに囚われず、常に「一なるものの法則」という根本原理に立ち返ることの重要性を示唆しています。
書記ジムの役割とエネルギー的貢献
書記としてセッションを記録し、グループの物理的・精神的な安定を支えたジム・マッカーティ氏の役割についても、ラーは言及しています。
ラーは、ジムの持つ安定した、グラウンディングされたエネルギーが、非常に繊細なラーとのコンタクトを可能にするための「アンカー(錨)」として、不可欠であったことを示唆しています。
彼の存在が、不安定になりがちな媒体(カーラ)のエネルギーを保護し、セッションの「場」を安定させる上で重要な役割を果たしていたのです。
これは、目に見える活動だけでなく、静かな「存在」そのものが持つエネルギー的な貢献がいかに大きいかを示しています。
グループワークや共同創造において、それぞれの持つ異なる質がどのように貢献し合えるかの好例と言えるでしょう。
それぞれの霊的な道に関する個人的なアドバイス
第五巻には、ドンとジム、それぞれの魂が持つ固有の学びのパターンや、過去生からの影響、現在の転生での課題などについて、ラーが言及している可能性のあるフラグメントも含まれています。
それは、私たち一人ひとりがユニークな魂の計画を持って転生してきていること、そして、普遍的な法則がそれぞれの個性や課題とどのように関わり合いながら展開していくのかを示す、貴重な事例証言となります。
グループダイナミクス:調和と不調和の波
三人体制のエネルギーバランスの重要性
ラーは、このコンタクトが特定の個人(カーラ)だけのものではなく、ドン、カーラ、ジムという三人の「調和したグループ」によって初めて成り立ったという点を、繰り返し強調します。
三人のエネルギーが相互に補完し合い、安定した「場」を形成することが、ラーのような高次の意識体が安全にコンタクトできるための必須条件でした。
特に、愛(カーラ)、光(ドン=知性)、そして安定(ジム=物理的・エネルギー的基盤)のバランスが重要であったようです。
これは、個人レベルの探求だけでなく、グループとして霊的なワークを行う際のエネルギー的な力学や、調和の重要性について深い洞察を与えてくれます。

グループ内の葛藤や誤解に関する質疑応答
フラグメントには、三人の間で生じた意見の相違、感情的なすれ違い、あるいは役割に関する葛藤などについて、ドンがラーに質問し、アドバイスを求めている場面が記録されています。
ラーは、決して特定の個人を断罪したり、どちらが正しいかを判定したりはしません。
代わりに、それぞれの行動や感情の背後にあるエネルギー的な要因(例えば、過去生からのパターン、現在の触媒への反応、自由意志の選択など)を指摘し、全てを「一なるものの法則」の視点から理解するよう促します。
特に、互いに対する「完全な受容」と「判断を手放すこと」の重要性が強調されます。
これは、私たち自身の人間関係における葛藤を乗り越えるための、普遍的なヒントとなり得ます。
調和を保つためのラーからの助言
グループとしての調和を維持し、コンタクトという困難な奉仕を継続するために、ラーは具体的な心構えや行動について助言を与えています。
最も重要なのは、常に互いへの「愛」と「光」の波動を意識的に選択し、維持することです。
これは、単に仲良くするというレベルを超え、グループ全体のエネルギーフィールドをポジティブに保つための能動的な実践です。
また、互いに対する完全な「信頼」も不可欠であるとされます。
疑いや恐れは、エネルギーフィールドに歪みを生じさせ、ネガティブな干渉を招き入れる隙を与えてしまいます。
たとえ困難な状況にあっても、互いの最善を信じ、サポートし合う姿勢が求められました。
さらに、個々のメンバーが自分自身の内なるバランスを取ることが、結果的にグループ全体の調和に貢献することも示唆されています。
自分自身の思考や感情に責任を持ち、それを適切に処理(受容、赦し、バランス)することが、健全なグループダイナミクスの基礎となるのです。
ラーは、瞑想や自己への奉仕(自己を大切にすること)も、グループ全体のエネルギーを高める上で有効であると示唆しています。
コンタクトの実際:儀式、疲労、そして正確性
セッション前の儀式や準備に関する詳細な指示

第五巻のフラグメントは、ラーとのコンタクトがいかに厳密な準備のもとで行われていたかを詳細に伝えています。
部屋の中央に置かれた祭壇、その上の聖書、水の杯、キャンドル、香の正確な位置関係、部屋の四隅の浄化、メンバーがセッション前に「光の輪」の中で行う精神統一など、エネルギーフィールドを最適化し、コンタクトの純度を高めるための具体的な儀式が、ラーの指示に基づいて行われていました。
祭壇に置かれる聖書は「一なるものの法則」へのグループの献身を象徴し、水の杯は生命エネルギーと霊的な要素を、キャンドルは「光」を、香は物理的な場を浄化し霊的な波動を高める役割を担っていたようです。
これらの物品の配置場所や相互の位置関係も、エネルギーの流れを最適化するために厳密に定められていました。
メンバーがセッション前に行う「光の中での周回(Circling in Light)」や瞑想、特定の祈りの言葉なども、単なる形式ではなく、メンバー自身のエネルギーを浄化し、波動を高め、ラーとのコンタクトに意識を集中させるための重要なステップでした。
これらの準備を怠ると、コンタクトの質が低下したり、望まない影響を受けやすくなったりするため、ラーは準備の正確性を繰り返し強調しています。
媒体の疲労度とコンタクトへの影響
ラーは各セッションの開始時と終了時に、ほぼ必ず媒体(カーラ)の生命エネルギーレベルについて言及し、その状態に応じてセッションの長さや質問数を調整するよう指示しています。
カーラのエネルギーレベルが低い状態で無理にコンタクトを続けると、
①ラーからの情報が不明瞭になったり歪んだりする
②カーラの身体的・精神的な負担が増大し健康を損なう
③ネガティブな存在からの干渉を受けやすくなる
といった具体的なリスクが生じると警告されています。
これは、チャネリングがいかに媒体の生命エネルギーを消耗させるか、そしてコンタクトの質と安全性を保つためには、媒体の状態への細心の注意がいかに必要であるかを物語っています。
情報の正確性を保つための注意点

ラーは、質問者ドンに対し、用いる言葉の正確さや概念の定義について、何度も確認や再定義を求めています。
高次の、あるいは非物質的な概念を、制限のある第三密度の言語で表現することの困難さが強調されています。
さらに、ラー自身の情報伝達においても、「歪み」が生じる可能性について言及しています。
その原因としては、
①媒体(カーラ)のエネルギーレベルの低下や個人的な信念フィルター
②質問者(ドン)の解釈や期待バイアス
③グループ全体のエネルギー的な不調和
④外部からのエネルギー的な干渉などが挙げられます。
ラーは、自身の過去の発言について、後から訂正や補足を行うこともありました。
これは、彼らがいかに情報の正確性に配慮していたかを示すと同時に、私たちがラー文書を読む際にも、文字通りの解釈に固執せず、常に文脈全体や「一なるものの法則」という根本原理に照らし合わせて、自らの識別力(Discernment)を働かせる必要があることを教えてくれます。
まとめ:「法則」と「個人」が交差する場所
ラー文書第五巻・前編で探求した「未公開フラグメント」は、壮大な「一なるものの法則」が、私たちと同じように日々を生き、悩み、病に苦しみ、人間関係に葛藤し、それでもなお霊的な探求と奉仕への道を歩もうとした個人の具体的な人生と、どのように深く交差していたのかを、鮮明に描き出しています。
カーラの痛々しいほどの健康問題への献身的な取り組み、ドンとジムを含むグループ全体の調和を維持するための努力、そしてラーという高次元存在との間で交わされた、非常に個人的で実践的な対話の記録。
これらは、普遍的な法則を「知る」ことと、それを困難な現実の中で「生きる」ことの間にあるギャップ、そしてそのギャップを埋めようとする人間の意志の尊さ、さらには高次元からの愛とサポートの現実を、私たちに強く示唆しています。
これらの個人的な記録は、ラー文書の壮大な哲学を、より身近で実践的なレベルで理解するための貴重な窓を提供してくれます。
普遍的な法則を自らの人生で体現しようとした探求者たちの実体験から、私たち自身の課題や成長へのヒントを見出すことができるはずです。
「The Law of One・ラー文書」の資料の本拠地である L/L Research のウェブサイトです。
もし興味があったら、日本語訳にして読んでみてください。




