前編では、私たちの内なるエネルギーセンターであるチャクラ、他者との間で交わされる性的エネルギー、そして人生の経験を霊的成長へと変容させる触媒の法則について探求しました。
この後編では、その自己理解をさらに深め、個人の意識を超えた、より広大で深遠な領域へと足を踏み入れます。
私たち一人ひとりを導き、人生の青写真を描くと言われる「高次自己(ハイアーセルフ)」とは一体どのような存在なのでしょうか?
そして、私たちの意識の根底に流れる普遍的なパターン、「元型(アーキタイプ)」とは?
さらに、個々の意識が融合して進化していく「社会的記憶複合体」の概念、そして、私たちが最終的に目指す「無限の創造主」への道筋についても、ラーの言葉を通して紐解いていきます。

高次自己(ハイアーセルフ):内なる導き手

高次自己とは何か?:未来の自己からの贈り物
ラー文書第二巻では、「高次自己(ハイアーセルフ)」という重要な概念が提示されます。
これは、単なる理想像や守護天使とは少し異なります。
ラーによれば、高次自己とは、私たちが進化の道を歩み、第六密度の終盤(第七密度へ移行する直前)に到達した未来の自己自身の現れ(あらわれ)なのだと言います。
未来の自己は、その時点までに獲得した全ての経験と叡智を情報資源として、現在の私たち(過去の自己)へと、時を超えて援助の手を差し伸べているのです。
それはまるで、人生という旅路の目的地を知る未来の自分が、現在の自分に地図を渡してくれるようなものです。
心身霊複合体、高次自己、心身霊複合体の総体の関係性
ラーは、私たちの存在を理解するために三つの側面を提示します。
- 心/身体/霊 複合体:
現在の私たちが認識している、この第三密度で体験を積んでいる自己。 - 高次自己:
第六密度終盤の未来の自己。現在の自己を導き、人生の課題設定を助ける。 - 心/身体/霊 複合体の総体:
全ての転生、全ての可能性(パラレルな経験を含む)の総和。
時間という概念を超えた、存在の全体像。「上位の魂(オーバーソウル)」とも呼ばれます。
高次自己はこの総体の情報にもアクセスできます。
これら三つは、本質的には一つの存在であり、時間/空間という認識の制約によって分かれているように見えるだけなのです。
円周上の三つの点のように、全ては同じ円(存在)の一部です。
高次自己との繋がり方

では、私たちはどのようにして高次自己と繋がり、その導きを受け取ることができるのでしょうか?
ラーは、高次自己との交信は、私たちの心の根源(潜在意識のさらに奥深く)にある経路(チャネル)を通して行われると述べています。
この経路は、肉体を持つ間も、死後の非物質的な状態においても存在します。
この経路を開く鍵となるのが、瞑想、意識的な意志(繋がりたいと望むこと)、そして信念(繋がれると信じること)です。
特に、思考を静め、内なる声に耳を傾ける受動的な瞑想は、高次自己からのメッセージを受け取るための基礎となります。
また、正直さ(自分自身に対して、そして他者に対して)も、高次の自己とのクリアなコミュニケーション(青色光線)には不可欠です。
ポジティブ/ネガティブな道と高次自己の関係
興味深いことに、ラーによれば、高次自己は常にポジティブな方向性を持っているとされます。
たとえ現在の心/身体/霊 複合体がネガティブな道(自己への奉仕)を選択していたとしても、その存在を導く高次自己は第六密度のポジティブな存在なのです。
なぜなら、第六密度に到達するレベルにおいては、ネガティブな道(分離と支配)を維持することが極めて困難になるからです。
叡智(第五密度)と愛(第四密度)の統合が第六密度では必須となりますが、ネガティブな存在が他者への愛を統合することは非常に難しく、ほとんどの場合、第六密度の初期段階で自らポジティブな道へと転換することを選ぶためです。
ただし、高次自己は常に自由意志を最大限に尊重します。
そのため、たとえポジティブな導きを与えても、それを受け取るかどうか、どのように解釈し行動するかは、完全に現在の自己の選択に委ねられています。
意識の元型(アーキタイプ):タロットが示す進化の地図
タロットの真の起源と目的の再確認
ラーは第一巻に続き、第二巻でもタロットについて言及し、その本来の目的を強調します。
私たちが現在知るタロットカードは、元々ラーが古代エジプトで伝えた「一なるものの法則」と「意識進化のプロセス」を象徴的に示すための教示ツールでした。
それは占いのためではなく、自己の内面を探求し、魂が経験する普遍的な学びの段階(元型)を理解するための「意識の地図」として意図されていたのです。
しかし、その真の意味は時と共に失われ、歪曲されてしまった、とラーは述べています。
意識の元型(アーキタイプ):タロットが示す進化の地図

ラーは第一巻に続き、第二巻でもタロットについて言及し、その本来の目的を強調します。
私たちが現在知るタロットカードは、元々ラーが古代エジプトで伝えた「一なるものの法則」と「意識進化のプロセス」を象徴的に示すための教示ツールでした。
それは占いのためではなく、自己の内面を探求し、魂が経験する普遍的な学びの段階(元型)を理解するための「意識の地図」として意図されていたのです。
しかし、その真の意味は時と共に失われ、歪曲されてしまったとラーは述べています。
ラーによれば、タロット(特に大アルカナ22枚)は「思考の原型(Archetypes of Mind)」、つまり人間の意識が進化の旅路で経験する普遍的な段階や学び、エネルギー状態を象徴的に表しています。
これは、個人の意識だけでなく、集合意識、さらには宇宙全体の意識の進化プロセスにも対応するものと考えられます。
それぞれのカードは、意識が通過する特定の段階、学び、あるいは向き合うべき課題を象徴しています。
第二巻では個々のカードの詳細な解説はありませんが、ラーの教え全体から以下のような対応関係を推測することができます。
ラーはこれらの元型を大きく「心」「身体」「霊」のサイクルに分類しています。
- 心(Mind)の元型:1番~7番
意識的な精神の働きや学びの段階を表します。- 例:「魔術師(Magician)」は意識的な意志と創造の力の顕現、「女教皇(High Priestess)」は潜在意識や内なる叡智へのアクセス、「皇帝(Emperor)」は物質世界における構造化や秩序、「教皇(Hierophant)」は社会的な教えや信念体系との関わりなどを象徴していると考えられます。
- 例:「魔術師(Magician)」は意識的な意志と創造の力の顕現、「女教皇(High Priestess)」は潜在意識や内なる叡智へのアクセス、「皇帝(Emperor)」は物質世界における構造化や秩序、「教皇(Hierophant)」は社会的な教えや信念体系との関わりなどを象徴していると考えられます。
- 身体(Body)の元型:8番~14番
物質的な経験や、心と霊が身体を通して学ぶ体験を表します。- 例:「力(Strength)」は内なる獣性(感情や本能)との調和、「隠者(Hermit)」は内省と自己探求、「運命の輪(Wheel of Fortune)」はカルマやサイクルの法則、「正義(Justice)」はバランスと原因結果の法則などを象徴しているかもしれません。
- 例:「力(Strength)」は内なる獣性(感情や本能)との調和、「隠者(Hermit)」は内省と自己探求、「運命の輪(Wheel of Fortune)」はカルマやサイクルの法則、「正義(Justice)」はバランスと原因結果の法則などを象徴しているかもしれません。
- 霊(Spirit)の元型:15番~21番
より高次の意識、霊的な変容、そして「一なるもの」への回帰に関わる段階を表します。- 例:「悪魔(Devil)」は物質への執着や幻想からの解放、「塔(Tower)」は古い構造の崩壊と覚醒、「星(Star)」は希望と宇宙意識との繋がり、「月(Moon)」は無意識の領域と集合的パターン、「太陽(Sun)」は生命力と自己実現、「審判(Judgement)」は過去の解放と新たな目覚め、「世界(World)」はサイクルの完了と統合、そして「愚者(Fool)」は純粋な信頼と共に新たな旅を始める魂そのものを象徴していると解釈できます。
ラーは、これらの元型を深く理解し、自分自身の内面でどの元型が活性化しているか、あるいは課題となっているかに気づくことが、意識的な進化にとって重要であると示唆しています。
タロットは、そのための自己観察ツールとなり得るのです。
元型を理解することは、自分自身の現在の意識状態や直面している課題を客観的に把握し、霊的な成長を促す上で非常に役立ちます。
元型を理解することの霊的成長における意義
これらの元型を理解することは、自分自身の現在の意識状態や直面している課題を客観的に把握し、霊的な成長を促す上で非常に役立ちます。
タロットの元型を通して、私たちは個人的な体験の背後にある普遍的なパターンを見出し、人生の出来事をより大きな視点から捉え直すことができます。
それは自己理解を深め、バランスをとるための強力なツールとなり得るのです。
ラーが元型として解説するタロットの構造は、現在世界で最も広く使われている「ライダー・ウェイト・スミス版(Rider-Waite-Smith Tarot)」に基づいていると考えられています。(この系統のデッキは、大アルカナだけでなく小アルカナ(数字のカード)にも具体的な人物や場面が描かれているため、カードの意味を直感的に掴みやすく、初心者の方には特におすすめです。
また、解説書や関連書籍が非常に多いため、学習しやすいという大きなメリットがあります。
社会的記憶複合体(集合意識):個から全体へ
社会的記憶複合体とは何か?:形成のプロセスと目的
ラーは、個々の心/身体/霊 複合体が進化していくと、やがて「社会的記憶複合体(Social Memory Complex)」、いわゆる集合意識体を形成する段階に至ると説明します。
これは「ロゴス(創造主)」が計画したものではなく、「一なるものの法則」の自然な現れです。
自己と他者が本質的に一つであるという理解(第四密度レベルの気づき)が深まるにつれて、個々の意識は互いに繋がり合い、経験や知識を共有し始めます。
これにより、複合体全体が、個々のメンバー全ての体験にアクセスできるようになります。
その目的は、「創造主が自身を知る」という宇宙の根本的な目的を、より効率的かつ広範囲に達成することにあります。
個々の経験が集合的な叡智へと昇華されるのです。
第四密度におけるポジティブ/ネガティブな複合体の違い

社会的記憶複合体は、主に第四密度で形成され始めますが、その性質はポジティブな道とネガティブな道で大きく異なります。
- ポジティブな複合体:
メンバー間の自由意志が完全に尊重され、愛と調和に基づいて自発的に形成されます。互いの経験を自由に分かち合い、共に成長し、他のより進化の遅い存在への奉仕を目的とします。 - ネガティブな複合体:
支配と隷属の階層構造を持ちます。
まず個々の間で激しい権力闘争があり、それによって確立された序列に基づいて複合体が形成されます。
下位の者は上位の者の思考や目的に奉仕することが求められ、テレパシー能力なども支配のために利用されます。
第五、第六密度への進化
第五密度(叡智の密度)では、社会的記憶複合体として学ぶか、あるいは個々の存在として学ぶかを選択できます。
この密度は自由度が高いとされています。
ポジティブな複合体は光と叡智を分かち合い、ネガティブな複合体は自己への奉仕のための叡智を深めます。
第六密度(統合の密度)への移行は、再び社会的記憶複合体として行われます。
この密度では、愛(第四密度)と叡智(第五密度)の統合が求められます。
前述の通り、ネガティブな存在がこの統合を達成するのは極めて困難なため、多くはこの段階でポジティブへと転換します。
無限への道:赦し、カルマ、そして瞑想
カルマの法則:行動の慣性とバランス
ラーは、私たちが一般に「カルマ」と呼ぶものを、「行動の慣性」と表現します。
一度起こされた行動(思考、言葉、行為)は、バランスが取られるまで、何らかの形で継続しようとするエネルギーの法則です。
過去の行動が、現在の体験に影響を与えるのはこのためです。
しかし、これは運命論的な決定事項ではなく、常にバランスを取り直す機会が存在します。
赦しの力:カルマを解消する鍵

この行動の慣性(カルマ)を止め、バランスを取り戻すための鍵が「赦し」である、とラーは強調します。
まず、自分自身の過去の行動(不適切だと感じるもの)を受け入れ、その行動をとった自分自身を完全に赦すこと。
そして、他者から受けた行動についても、その行動の背後にある動機や学びを理解しようと努め、相手を(そしてその状況における自分自身を)赦すこと。
この赦しのプロセスを通して、カルマのパターンは解消され、私たちは過去の繰り返しから解放され、自由な選択を取り戻すことができます。
エイブラハムの教えにある「抵抗を手放す」という概念も、この赦しの力と深く関連していると言えるでしょう。
瞑想の技法:静寂と視覚化
ラーは、瞑想には大きく分けて二つのタイプがあり、それぞれに価値があると述べています。
- 静寂の瞑想(受動的瞑想):
思考の流れを鎮め、心の「おしゃべり」をなくし、内なる静けさに到達することを目指す瞑想です。
これは、「創造主の声」(あるいは高次自己や内なる叡智)を聞くための基本的な準備であり、多くの人にとって最も役立つタイプの瞑想です。 - 視覚化(能動的瞑想):
特定のイメージ(宗教的なシンボル、幾何学図形、個人的にインスピレーションを感じるものなど)を心の中に意図的に保持し続ける瞑想です。
これは意志と集中力を鍛えるための「達人のツール」であり、熟達すれば意識の力で現実(あるいは惑星意識)に影響を与えること(白魔術など)も可能になるとされます。
どちらの瞑想も、意識を集中させ、内面を探求し、高次の意識へと繋がるための有効な手段です。

精妙な身体(ボディ):死後の移行と多次元的存在
7つの精妙な身体
ラーは、私たちが持つ「身体」は、現在認識している物質的な身体だけではないと語ります。
私たちの存在は多次元的であり、7つの主要なエネルギーセンター(チャクラ)に対応するように、7つの「精妙な身体(Subtle Bodies)」を持っているのです。
- 赤色光線の体:化学的な体。物質的な乗り物の基礎となる、形のない元素体。
- オレンジ色光線の体:心や霊が入る前の、胎児のような身体複合体。
- 黄色光線の体:私たちが現在経験している物質的な身体(乗り物)。
- 緑色光線の体:より軽く、生命エネルギーが密な体。アストラル体とも呼ばれる。
- 青色光線の体:光の体、神界の体とも呼ばれる。
- 藍色光線の体:エーテル体。知的無限への入口(ゲートウェイ)であり、形を自由に変えられる。ヒーラーが活用できる体。
- 紫色光線の体:仏陀体(ブッディ体)とも呼ばれる、完全な体。存在の全体性。
これらの体は、私たちが生きている間も常に存在し、相互に影響し合っています。
死後のプロセス
私たちが肉体の死を迎えると、まず藍色光線の体(エーテル体、「形づくるもの」)が活性化されます。
この体の中で、私たちは直近の転生の経験を振り返り、魂の全体的な状態を評価します。
その後、必要に応じてヒーリングや学びが行われ、次の転生や存在状態に適した体が活性化されます(多くの場合、緑色光線の体などが使われます)。
収穫の時期には、このプロセス中に魂の進化度(紫色光線の状態)が判定されます。

地縛霊とは何か?
ラーによれば、いわゆる地縛霊や未練ある幽霊とは、肉体の死後も、生前の特定の場所、人物、あるいは状況に対する強い執着(意図の力)によって、物質界に近いレベルに囚われてしまった状態です。
本来活性化されるべき藍色光線の体への移行がスムーズに行われず、活性化が解かれたはずの黄色光線の体のエネルギー的な「抜け殻」のようなものに意識が留まってしまうのです。
突然死した場合や、強い思い残しがある場合に起こりやすいとされています。
歴史上の人物に見る学びと成長
ラーは第二巻で、私たちが知るいくつかの歴史上の人物を例に挙げ、人生における出来事(触媒)がどのように作用し、彼らの霊的な極性化(ポジティブまたはネガティブへの方向づけ)にどう影響したかを解説しています。
これらの例は、私たち自身の学びと成長のプロセスを理解する上で、貴重な示唆を与えてくれます。
(ただし、これらの分析はラーの視点によるものであり、様々な解釈が可能であることを心に留めておく必要はあります。)

フランクリン・ルーズベルト:権力と奉仕の狭間で
ラーによれば、フランクリン・ルーズベルトとして知られる存在は、幼少期に恵まれた環境と本人の強い成長意欲により、エネルギーセンター(チャクラ)を緑色光線(愛・共感)まで急速に発達させ、青色光線(コミュニケーション・意志)にも取り組み始めていました。
彼の妻(エレノア)は、彼より強く青色光線が活性化しており、彼のさらなる成長の触媒となりました。
しかし、政治活動における権力への執着(黄色・オレンジ光線)が強まるにつれ、緑色や青色光線のエネルギーが犠牲になり、ポジティブな極性を失いかけました。
その結果、転生前に設定されていた身体的な制約(ポリオによる麻痺)が発動し、これが強烈な触媒となりました。
この触媒により、彼は再び力のより普遍的で理想的な側面、つまり他者を傷つけずに力を行使する(奉仕する)方向へと意識を向け直す機会を得ました。
公的にはポジティブな極性化を取り戻しましたが、私的な関係性においてはカルマ的な課題を残した、とラーは分析しています。
アドルフ・ヒトラー:バランスを欠いた極性化の末路
アドルフ・ヒトラーとして知られる存在は、ラーによれば、非常に混乱したケースです。
彼は緑色光線(他者への愛・共感)への鍵を持たないまま、より高次のエネルギー(藍色光線など)を活性化させようとしました。
エリート層による支配というネガティブな極性化のパターンを信奉しましたが、自己の内面との統合や調和(バランス)を欠いていたため、その試みは失敗し、最終的には人格が崩壊するほどの錯乱(狂気)状態に陥ったとされます。
その結果、彼はネガティブな道での収穫(アセンション)も果たせず、膨大な癒しを必要とする状態になりました。
ラーは、この例を通して、内面のバランスを無視して極性化だけを急ぐことの危険性を警告しています。
なお、ラーはヒトラーの側近の中で、ヘルマン・ゲーリングとハインリヒ・ヒムラーのみが、ネガティブな道で収穫される可能性があった存在だと述べています。
アルベルト・シュヴァイツァーとマーティン・ルーサー・キングJr.:ポジティブな道の歩み
ラーはポジティブな極性化の例として、アルベルト・シュヴァイツァーとマーティン・ルーサー・キングJr.を挙げています。
シュヴァイツァーは、医療奉仕のための資金調達などで黄色光線(社会性・実行力)も活性化させていましたが、それを常に緑色光線(人道的奉仕)や青色光線(オルガン演奏による表現)とバランスさせ、非常に調和の取れたポジティブな極性化を示しました。
キング牧師は、社会活動の中でネガティブなエネルギー(オレンジ・黄色光線レベルの対立や憎悪)と格闘しましたが、常に緑色光線(普遍的な愛・非暴力)に心を開き続けました。
厳しい試練(触媒)に直面しながらも他者への奉仕に忠実であり続けた結果、ポジティブな方向へ強く極性化したとされます。
ジョージ・パットン:過去生の慣性と赦しの課題
ジョージ・パットンとして知られる将軍は、過去生からの強い好戦的なパターン(黄色光線)を持ち越していました。
彼は真実や美(緑色や青色光線の片鱗)を一途に信奉し、守るべきものを守ることに義務を感じる感受性も持っていましたが、過去からの慣性を打ち破ることができませんでした。
特に、普遍的な愛の前提である「赦し」の原理を拒絶した(緑色光線のブロック)ため、全体としてはわずかにポジティブに極性化したものの、収穫される可能性はむしろ減少したとラーは述べています。
彼は終戦後すぐに亡くなりましたが、それは収穫の機会を得るために早く再転生するためだったと示唆されています。
エイブラハム・リンカーン:特異なケース(ウォークイン)
エイブラハム・リンカーンについては、特異なケースとして語られています。
ラーによれば、リンカーン自身は人生の苦悩から、1853年頃に睡眠中の接触を通じて、ある第四密度の存在と合意の上で身体を交代しました。
その第四密度の存在(ウォークイン)は、当時アメリカで深刻化していた奴隷制度(ラーによれば第三密度のネガティブな概念の中でも極めて深刻なもの)を解消し、自由の理念を守ることを目的としていました。
彼はリンカーンが負っていたカルマを引き受けつつ、その目的のために行動しました。
この行動は他者への奉仕と見なされますが、戦争による集合的なトラウマの影響もあり、元々のリンカーンの魂の極性自体は、この出来事によってわずかに減少したとされています。
これらの例は、同じ歴史的な出来事であっても、個々の存在が持つ意識の状態、自由意志による選択、そして触媒への反応によって、霊的な結果がいかに異なるかを示しています。
そして、自己の内なるバランスを保ちながら、愛と赦しを持って人生の課題に取り組むことの重要性を教えてくれます。
まとめ:内なる無限への目覚め
ラー文書第二巻・後編では、私たちを導く高次自己、意識の普遍的な青写真である元型、個を超えた集合意識としての社会的記憶複合体、そしてカルマと赦しの法則、瞑想の実践、多次元的な身体構造といった、意識の深遠な領域を探求しました。
これらの知識は、私たちが単なる物質的な存在ではなく、多次元的で広大な意識の一部であり、無限の創造主へと繋がる可能性を秘めていることを示唆しています。
高次自己との対話、元型への理解、集合意識への貢献、そして日々の赦しと瞑想の実践を通して、私たちは内なる無限性に目覚め、「一なるものの法則」を体現していくことができるのです。
ラー文書の旅はここで終わりではありません。この情報が、あなた自身のさらなる探求と霊的な成長への、一つのきっかけとなれば幸いです。

「The Law of One・ラー文書」の資料の本拠地である L/L Research のウェブサイトです。
もし興味があったら、日本語訳にして読んでみてください。
