セスブック:「知られざる現実 第2巻 後編」~輪廻転生、カウンターパート、そして「あなたは未知の現実である」~

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 前編では、セスと共に生命と宇宙の新たな見方を学び、私たちの意識が持つ無限の可能性に気づきました。
 中編では、その広大な「知られざる現実」を探求するための具体的な「意識の航海術」を実践してきました。
 私たちの内なる世界の地図は、もはや以前と同じではないはずです。

 この後編では、セスの教えの最も深淵な領域へと、さらに深く分け入っていきます。
 従来の概念を根底から覆すセスの『輪廻転生観』とは?
  同じ時代に響き合い、あなたの成長を促す魂の仲間『カウンターパート』、そして、あなたの魂が持つ専門分野と系譜を示す『意識の家族』とは一体何なのでしょうか?

 さらに私たちは、セス自身のリアリティの謎に迫り、この壮大なシリーズの結論である「あなたは未知の現実である」という、最もパワフルで解放的なメッセージの真の意味について探っていきます。

様々な形でセスの叡智に触れていただけるよう、本記事のラジオ形式の音声版をご用意いたしました。
文章を読む時間がない時や、リラックスしながら内容を深く味わいたい時などにご活用いただければ幸いです。

目次

SECTION 6 概観:「過去」を再創造する – 輪廻転生とカウンターパートの深淵

 セス自身が「輪廻転生とカウンターパート:『過去』を意識のモザイクを通して見る」(“Reincarnation and Counterparts: The ‘Past’ Seen Through the Mosaics of Consciousness”)と名付けたこのセクションは、私たちがこれまで抱いてきた自己、時間、そして魂の繋がりに関する概念を、根底から、そして鮮やかに再構築する可能性を秘めています 。

 このセクションタイトルそのものが、非常に深遠な意味合いを持っています。
 「意識のモザイク」という言葉は、私たちの自己や歴史が、単一で固定的な物語なのではなく、無数の意識の断片(ピース)が織りなす、壮大で美しいアートワークのようなものであることを示唆しています。
 
 そして重要なのは、そのモザイク画は完成して壁に飾られているのではなく、「今、ここ」にいるあなたの意識という光を通して、常に新しい輝きを放ち、その模様を変化させ続けているということです。

 これまでのスピリチュアルな探求において、多くの人が「輪廻転生」という概念に触れ、過去世から未来世へと続く魂の旅路を想像してきたかもしれません。
 しかし、セスはこのセクションで、その直線的な時間軸という“常識”に揺さぶりをかけます。
 そして、私たちの自己認識をさらに拡張する、本書の最重要概念の一つである「カウンターパート」という、魂の新たな繋がり方を提示します。

【セスの輪廻転生観】過去は固定されず、未来は「今」を創造する (SESSION 727, 728)

 多くのスピリチュアルな探求において、「輪廻転生」は魂の成長を説明する上で中心的な概念とされてきました。

 それは多くの場合、過去の人生で積んだカルマを解消するために、直線的な時間軸に沿って魂が何度も生まれ変わる旅として描かれます。

 しかし、セスが提示する輪廻転生観は、この馴染み深い物語に、驚くほど多次元的でダイナミックな視点をもたらします。
 セスの世界では、過去は決して固定されたものではなく、未来ですら現在の私たちを形作る力を持っているのです。

 この革新的な輪廻転生観を理解するために、セスは非常に分かりやすい「山の比喩・例え」(“mountain analogy”) を用います。
 まず、あなたが「今」認識している自己を、壮大な山の頂上だと想像してみてください。
 そして、その山を形成している麓へと続く広大な岩盤や地層の数々が、あなたの「過去世」にあたります。

 この比喩の最も重要なポイントは、山の頂上も、中腹も、そして麓の地層も、全てが「今、この瞬間」に同時に存在しているという点です。
 セスはこう語ります。

「あなたはそれらの過去の自己たちではありませんが、それらはあなたの存在の歴史の一部です。
 彼らは彼ら自身の時空に存在します。
 彼らはあなたの人生と同時に存在しており、それは地層が山と同時に存在しているのと同じです。」

 これは、過去世が単なる歴史上の記録ではなく、今もどこかの次元で独自の体験を続けている、独立した自己であることを示唆しています。

 さらに驚くべきことに、これらの階層は互いに深く影響を与え合っているのです。
 セスによれば、「山の頂上で起こることは、その下の全てに影響を与え、したがって、あなたがすることは全て、自己の他の領域に影響を与えます」。
 つまり、現在のあなたの思考、感情、行動の一つ一つが、あなたの全ての過去世に影響を及ぼし、その物語を書き換える力すら持っているということになります。

 さらにセスは、ここで私たちに驚くべき視点を提示します。

 あなたが自分のことを山の頂上だと思っているとしたら、それはまだ早いかもしれません。あなたの今の視点からは、そのさらに上があることを見ることができないのです。
 あなたは頂上にいるのではなく、山の斜面にある見晴らしの良い崖の上にいます。そして、あなたという山そのものは、その遥か上へと、まだ無限に続いているのです。

 この言葉は、私たちが「今」の自己を最終的な完成形だと考えているかもしれないその認識自体が、一つの限定された視点に過ぎない可能性を示唆しています。
 私たちの遥か「上」には、まだ見ぬ未来の自己や、より広大な意識の領域が広がっているのかもしれません。
 この視点は、私たちの自己認識の相対性と、成長の無限の可能性を力強く教えてくれます。

 セスの時空論は、従来の「過去が現在を規定し、現在が未来を規定する」という直線的な因果律を、まるで反転させるかのような、さらに衝撃的な視点を提示します。
 それが、「未来が過去を形成する」というメカニズムです。

「まだ生まれる前のあなたの魂(胎児)は、その『未来のあなた』からの呼びかけに応えるようにして、過去(遺伝子のプールなど)の中から必要な要素を選び出し、新しい命としてこの世に誕生するのです。」

 この言葉は、私たちの存在が、単に過去の遺伝子やカルマの結果として生まれてきたのではなく、むしろ「未来の自己からの呼びかけ」や「未来の人生の青写真」に応答する形で、無数の可能性の中からこの「今」へと引き寄せられたのだという、壮大な可能性を示唆しています。
 
 あなたの魂は、最も成長できる可能性を秘めた未来の自己像を感知し、その実現のために、最適な時代、環境、そして肉体を選び、過去(遺伝子のプールなど)から必要な要素を引き出して「今」のあなたを形成した、と解釈することもできるでしょう。
 この視点に立てば、私たちの人生は、過去の束縛から解放され、未来の可能性に向かって開かれた、創造的なプロセスそのものであることが分かります。

 セスの言う「未来の自己」は、バシャールの**「ハイヤーマインド(高次の自己)」**に酷似しています。
 ハイヤーマインドとは、時間や空間を超越し、私たちの人生全体を俯瞰し、最善の道へと導く「本当の自分」です。
 ハイヤーマインドからのナビゲーションこそが、バシャールが重要視する**「ワクワク」**です。
 
 つまり、セスの言う「未来の自己からの呼びかけ」は、ハイヤーマインドが送る「ワクワク」という感覚として、私たちが「今」感じ取ることができると言えるでしょう。
 未来の自分からの純粋な招待状が「ワクワク」として現れていると考えると、非常に実践的です。

 「予知」という現象もまた、セスの多次元的な時間観の中で新たな意味を与えられます。
 一般的に、予知は未来に起こる出来事を事前に知る超常的な能力として捉えられがちです。
 しかしセスは、予知を「成長への刺激」として捉え、それが生命の根源的な性質の一つであると語ります。

彼は、この概念を植物の根を例に挙げて説明します。

「最も小さな植物の根は、その成長にとって最良の条件を知っており、自発的に、最も充実した発達の蓋然性へと手を伸ばします。」

 植物の根が、まだ目には見えない土の中の水分や養分、つまり「未来」の成長に必要な条件を感知し、そちらへ向かって伸びていくように、私たちの意識もまた、未来に存在する無数の可能性の中から、最も自己の成長と充実につながる蓋然性を無意識のうちに「予知」し、その方向へと内なる衝動や導きを感じているのです。

 この意味で、時間は決して一本の未来に向かって流れているのではなく、私たちの意識は常に多方向に広がる可能性の未来と対話し、最も魂が輝く道筋を選択し続けている、と言えるのかもしれません。

 バシャールが**「列車と線路」**の比喩で語る、「自分にとって最も調和のとれた正しい線路」 を、内なる感覚でかすかに捉えたものなのかもしれません。

あなたは一人ではない – 魂の系譜「カウンターパート」と「意識の家族」 (SESSION 722, 732, 734)

 前セクションで探求した「同時存在する自己」という概念は、私たちの孤独感を癒し、存在の深いつながりを示唆するものでした。
 このセクションでは、その繋がりをさらに具体的で、私たちの日常生活にまで及ぶものとして理解するための、セスの教えの中でも特に重要で魅力的な二つの概念――「カウンターパート」「意識の家族」――について深く掘り下げていきます。
 もし輪廻転生が魂の「縦」の繋がりを示すものだとしたら、これらは魂の「横」の繋がり、つまり今この時代を共に生きる仲間たちとの深遠な関係性を示してくれるものと言えるでしょう。

 セスは、私たちの自己認識を根底から拡張する「カウンターパート」という概念を提示します。
 これは単なる友人や家族といった関係性を超えた、魂のレベルでの深いつながりを持つ存在です。

「あなたの世紀の概念において、あなたには、同じ時代に、同じ地球の顔の上で、一般的に言って、生きているあなた自身の他のカウンターパートがいます。」

 セスによれば、私たちの「本来の自己(オリジナル・セルフ)」は、この物理次元に現れる際に、一つの自己としてだけでなく、様々なバージョンの自己として、同時に複数の身体を持って生まれてくることがあるといいます。

 これらが「カウンターパート」です。

 彼らは、人種、国籍、性別、社会的地位といった物理的な属性を全く異にしているかもしれませんが、魂の深いレベルでは、非常によく似たテーマや人生の課題を探求し、同じ種類の創造的な挑戦に取り組んでいるのです。

 カウンターパートとの出会いは、時に説明のつかない強い親近感や、まるで昔から知っているかのような懐かしさとして感じられることがあります。

 一方で、自分の最も見たくない側面を映し出す鏡のようにも機能するため、激しい反発や理解しがたい葛藤として現れることも少なくありません。
 しかし、セスによれば、それらの体験は全て、互いの魂の成長を加速させ、自己の未開発な側面を統合していくための、魂レベルでの深い合意に基づいているのです。

 セスの言う「カウンターパート」の概念は、バシャールが語る「ソウルメイト」一致します。
 バシャールによれば、ソウルメイトとは必ずしもロマンチックな関係だけを指すのではなく「お互いの魂の成長を助け合う関係であれば、家族、友人、恋人、どんな形であれ、彼らは一種のソウルメイトと言えます」と彼は語ります。

 セスはさらに、私たちの魂が持つより大きな括りとして、九つの「意識の家族」という概念を提示します。
 これは、私たちの魂が持つ基本的な「気質」や「専門分野」、あるいはエネルギーの「色合い」のようなものだと考えることができます。
 私たちは皆、これらの家族のいずれかに属しており、それが私たちの人生における興味の方向性や才能、そして生きる上での基本的なスタイルを形作っているというのです。

 セスがSESSION732や734などで紹介した家族のいくつかを見てみましょう。

  • グラマーダ (Gramada):
     組織化や社会構造の構築を得意とする、生まれながらのオーガナイザー。社会の基盤となるシステム(学校、病院、政府など)を創り、維持する役割を担います。
  • スマリ (Sumari):
     創造性、芸術、発明、そして遊び心を司る、自由で束縛を嫌うアーティスト気質の家族。新しいアイデアや文化を生み出す源泉となります。
  • スマフィ (Sumafi):
     主に「教えること」に関わる、知識の伝承者です。
     独創的なアイデアを変えることなく、社会構造を通じて正確に次の世代へと継承していく役割を持ちます。
     歴史家や教師などがこの家族に含まれることがあります。
  • ツモールド (Tumold):
     身体的、精神的、霊的なレベルでの「癒し」を専門とするヒーラーの家族。
     医者やカウンセラーだけでなく、様々な形で人々の傷を癒し、調和をもたらします。
  • ヴォルド (Vold):
     現状を改革し、未来の可能性を現在に引き出すことを使命とする変革者の家族。
     強い予知能力を持ち、社会や宗教の改革者として活動することがあります。
  • ミルメット (Milumet):
     内面世界の探求を専門とする神秘家の家族。
     彼らのエネルギーはほとんど内側に向かい、外的な評価や理解を気にすることなく、純粋に霊的な探求に専念します。
  • ズーリ (Zuli):
     身体活動の成就に深く関わる、アスリートの家族です。
     あらゆる分野において、身体能力を完成させ、その美しさや力強さ、優雅さを通じて生命の活力を表現することに専念します。
  • ボルディム (Borledim):
     生命を育むこと、つまり親子関係や育成に深い喜びと才能を見出す「地球の親」とも呼べる家族。種の存続と安定の基盤を支えます。
  • イルダ (Ilda):
     異なる文化やアイデア、人々を繋ぐ「交流」を司る旅人の家族。探検家、商人、外交官などとして、世界に新しい風を吹き込みます。旅人の家族。探検家、商人、外交官などとして、世界に新しい風を吹き込みます。

これらは各家族の基本的な傾向ですが、私たちは通常、特定の「意識の家族」の一つに深く根ざしながらも、他の家族の特性も併せ持っています。
 そして、異なる家族に属する魂同士が出会い、互いの特性を学び合うことで、個人としても種としても、より豊かでバランスの取れた成長が可能になるのです。

 カウンターパートや意識の家族といった、これほど深遠なテーマを探求するにあたり、セスが繰り返し強調するのが「遊び(プレイ)」「自発性(スポンタニティ)」の重要性です。
 私たちはスピリチュアルな探求というと、つい真面目で、厳格で、深刻な「修行」のようなものをイメージしがちです。
 しかしセスは、そのような態度こそが、私たちの創造性や、本来の自己との繋がりを妨げてしまうと警告します。

「あなたが自分の現実を維持することにあまりにも意図的になりすぎると、あなたはそれを失います。なぜなら、それが基づいている創造性を否定するからです。」

自分探しやカウンターパート探しが、「~しなければならない」という義務感や、「見つけられないとダメだ」という焦りに変わってしまった時、私たちは本来の魂の喜びから離れてしまいます。

 真の探求とは、子供が夢中で砂場で遊ぶように、結果を気にせず、そのプロセスそのものを楽しむことから生まれるのです。

 これは、バシャールの教えの核心である「最もワクワクすることに従う」という生き方と見事に一致します。「ワクワク」とは、深刻さや義務感とは正反対の、魂が純粋に喜び、共鳴する状態です。

コラム:セス・ブックの中の具体的な事例

 「知られざる現実 第2巻」の付録(APPENDIX)には、セスの深遠な理論が、ジェーンたちの実生活でどのように現れたかを示す、具体的なエピソードが記録されています。

  • 共有される魂の記憶(APPENDIX 22):
     著者ロブが見た「塔から突き落とされるローマ兵」のビジョンは、クラスメイトが持つ「その兵士を突き落とした側」の記憶と驚くほど一致しました。
     セスはこれを、近しい魂のグループが同じ「サイキックな記憶」を異なる視点から共有している事例だと解説しました。
  • 魂の家族との出会い(APPENDIX 26, 27):
     創造性を司る「スマリ」という家族の能力は、他者への深い「共感」をきっかけに発動しました。
     また、別の生徒は、セスに教わるより前に「グルナール」という家族名を直感でチャネリングし、それが自身の過去のビジョンと繋がっていたことを発見します。

これらの実例は、「カウンターパート」や「意識の家族」といった概念が単なる空論ではなく、私たちの共感や直感を通じて、日常生活の中に生き生きと作用していることを力強く示しています。

セスの最終啓示 – 「あなたは、そして私も、未知の現実である」 (SESSION 733, 735, 740, 743, 744)

 私たちの探求の旅は、いよいよ「知られざる現実」の核心、そしてセスがこの書を通して私たちに最も伝えたかったであろう、最終的なメッセージへとたどり着きます。
 これまでの全ての概念――同時存在する自己、カウンターパート、意識の家族――は、この最終的な理解へと至るための重要な道しるべでした。それは、私たち自身の存在の本質を根底から見つめ直す、力強く、そして解放的な啓示です。

 この結論へと向かう前に、セスがどのような視点から私たちの世界を見ているのかを理解することは、非常に重要です。
 彼はSESSION 733で、自身の住む領域が私たちの現実よりも「より直接的」であると語ります。
 これは、彼の視点からは、私たちの世界で作用している信念の体系や、その結果として生じる制限が、より明確に見えることを意味します。

「なぜ、世界はしばしばこれほどまでに陰鬱で残酷に見えるのでしょうか? なぜ、あなたの同胞は時に、心のない怪物のように見えるのでしょうか…? なぜ、あなた方の多くが、種は破滅すると感じているのでしょうか?」

 セスは、私たちが抱くこれらの「負の条件」が、実は私たち自身の信念体系によって創り出されていると指摘します。
 しかし、彼は同時に、真の「創造主」のあり方についても語ります。

「創造主は、その創造物の主人ではありません。彼は単にその創造主であり、そして彼が創造するのは、彼がコントロールしようと試みないからです。」

この言葉は、宇宙の根源的な創造性が、支配やコントロールではなく、信頼と自由な表現に基づいていることを示しています。
 私たちが自らの現実をコントロールしようとするのをやめ、内なる創造性の流れに身を任せたとき、初めて真に自由な現実創造が可能になるのです。

 では、多次元的な自己は、どのように調和し、一つの存在として成り立っているのでしょうか?
 セスは、SESSION 735で「存在の交響曲」という美しい比喩を用いてこれを説明します。

 彼によれば、同じ時代に生きる私たちカウンターパートたちは皆、共に一つの壮大な「音楽作品」(“musical composition”)を形成しているのです。
 一人ひとりが異なるメロディを奏でながらも、全体として一つの調和した交響曲を生み出しているのです。

 そしてセスはこう付け加えます。

音楽においては、休符は音そのものと同じくらい重要です。

 これは、私たちが認識していない自己の側面、つまり「休符」にあたる部分もまた、私たちの存在という音楽全体にとって不可欠であり、音(認識している自己)を際立たせる重要な役割を果たしていることを示唆しています。


 さらにSESSION 740では、「クリスマスツリーの比喩」を用いて、多次元的な自己の姿を視覚的に表現します。
 私たち一人ひとりは、クリスマスツリーに灯る個々の光のようなものです。
 その光は時に消え(死を象徴)、次の瞬間には別の枝で、あるいは別の色の光として再び灯るかもしれません(再生を象徴)。
 しかし、クリスマスツリー全体(全体性としての自己)は常に存在し続け、無数の光が同時に輝いています。私たちが見ている一生は、その無数の光の中の一つに過ぎないのです。

 このセッションでジェーンが見た「巨大なセスのイメージと、そこから現れる無数の小さなセス」のビジョンは、まさにこの比喩を裏付けるものです。
 セスの多次元的な自己(巨大なイメージ)が、その一部を個々の顕現(小さなセスたち)として、様々な時空に送り出している。
 これは、セス自身の存在が、まさに「知られざる現実」の構造そのものを体現していることを示しています。

 全ての探求を経て、セスはSESSION 743で、この本のタイトルであり、シリーズ全体の核心である問いに、最終的な答えを提示します。
 
 「知られざる現実」とは、一体何なのでしょうか?

 その答えは、どこか遠い宇宙の果てや、神秘的な異次元にあるのではありませんでした。
 セスは、私たち一人ひとりの中に、その答えが存在すると力強く断言します。

「あなたは、あなた自身の存在の多くの側面に気づいていない、認識していない、あるいは経験していない範囲において、未知の現実なのです。」

 この言葉こそ、本書が私たちに贈る最大の啓示です。

 「知られざる現実」とは、私たちがまだ出会っていない、内なる自己の無限の可能性、未開発の才能、抑圧された感情、そしてまだ見ぬ未来の自己の側面、その全てを包含した、広大で豊かな内なる領域そのものなのです。
 
 つまり、この本の探求の旅は、最終的に「究極の自己発見の旅」に帰結するのです。

コラム:セス自身のリアリティ – 魂の協力関係が示す– APPENDIX 18より

 APPENDIX 18でセスは、彼がジェーンの潜在意識や別人格ではなく、物理次元を超えた「エネルギー・パーソナリティ・エッセンス」であることを明かしています。
 
 彼とジェーンとのコミュニケーションは、二人の意識がセッション中に融合して生まれる、第三の特別な人格**「ブリッジ・パーソナリティ(橋渡しの人格)」**を通じて可能になります。
 これは、自己の境界線が絶対ではなく、他の意識と協力し、新たな現実を創造できるという「未知の現実」の法則を、見事に体現しています。

 さらにセスは、この驚異的な共同作業が、記録者であるロブのサポートなしには成り立たないと断言しています。
 セス、ジェーン、ロブの三者によるこの協力関係そのものが、**「意識は孤立せず、互いに繋がり、共に創造する」**という、セスの教えの生きた実例なのです。

シリーズ全体のまとめ:内なる宇宙への旅は、ここから始まる

「セスブック:知られざる現実」を探求する私たちの旅も、ついにその終着点であり、同時に新たな出発点へとたどり着きました。
 このシリーズを通して、私たちはセスの導きのもと、意識が現実を創造する力、無数の可能性を秘めた蓋然性の宇宙、そして時空を超えた魂の繋がりである輪廻転生やカウンターパートといった、深遠な概念の海を航海してきました。

 これらの全ての教えが指し示していたのは、一つの、そして最もパワフルな真実でした。
 それは、「知られざる現実」とは、どこか遠くにある神秘的な世界などではなく、あなた自身の内側に存在する、まだ発見されていない無限の可能性そのものである、ということです。

 セスが遺してくれた叡智は、ただ信じるための教義ではなく、あなたが自分自身の現実をより自由に、より創造的に生きるための、実践的なコンパスであり、意識の地図です。
 夢を記録し、内なる声に耳を澄ませ、自分自身の直接的な体験を信頼すること。
 それこそが、この地図を読み解く鍵となります。

この書籍はまだ日本語で販売されていませんが、このブログで興味が湧き、英語を読める方はぜひ手に取ってみてください。

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