セスブック2「個人的現実の本質」の要約と解説(前編):あなたの思考が現実を創る〜意識と信念の基本法則

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 なぜ、私たちの人生は思い通りにいかないことがあるのでしょうか?
 なぜ、望まない出来事や不本意な状況が、まるで自分以外の力のせいで起こるように感じられるのでしょう?


 多くの人が抱くこの根源的な問いに対し、高次元存在セスは力強く、そして明確にこう答えます。

 「あなたがたは、自分自身の現実を創造する。例外なく」と。

 「宇宙の法則」や「見えない世界」を探求する中で、バシャールと並び称される存在、セス。
 彼がチャネラーのジェーン・ロバーツを通じて遺した一連の教えは、単なるスピリチュアルな慰めや抽象的な哲学ではありません。
 それは、私たち一人ひとりが自らの人生の操縦桿を握り、望む現実を意図的に創り上げていくための、極めて実践的な**「現実の取扱説明書」**なのです。

 このブログ記事シリーズでは、日本語訳版ではなく英語版の『The Nature of Personal Reality (個人的現実の本質)』の原書を基に、その深遠な叡智を三部作で徹底的に読み解いていきます。

 前編となる今回は、セスが示す現実創造の最も根幹となる法則、「あなたの思考が、あなたの感情が、そしてあなたの奥深くにある『信念』こそが、目の前の現実を創造している」というテーマに焦点を当てます。
 意識、信念、想像力、そしてあなた自身の肉体がいかにして創られているのか。その驚くべき仕組みを、セスの言葉と共に探っていきましょう。

本記事のラジオ形式の音声版をご用意いたしました。
文章を読む時間がない時や、リラックスしながら内容を深く味わいたい時などにご活用いただければ幸いです。

目次

あなたの世界は、あなたの心が描く「生きた絵」

 セスは、私たちが体験するこの世界の本質を、非常に詩的かつ的確な比喩で表現します。
 それは「世界は、あなたの心が描く “生きた絵” である」というものです。

 あなたが目にする風景、出会う人々、体験する出来事の一つひとつは、偶然や外部の力によってもたらされるのではありません。
 それらはすべて、まずあなたの心の中、つまり意識の中で思考や感情、イメージとして生まれ、その後に三次元の世界に投影され、物質化しているのです。

セスの言葉
「外面世界に現れるどんな効果も、内なる源泉から生じていないものはない。いかなる動きも、まず心の中で起こり、その後にのみ外で物質化するのである。」

 この「意識が現実を創造する」という法則は、人間だけのものではありません。
 セスによれば、原子や分子から動物、植物に至るまで、すべての生命がこの偉大な創造性を持っており、互いに自発的に協力し合うことで、この壮大な自然環境を創り上げています。
  原子や分子でさえ、それ自身のささやかな意識を持ち、より大きな構造と意味を求めて「本能的に」結合しようとするのです。

 この法則は、私たちにとって最も身近な「肉体」にもそのまま当てはまります。
 あなたの体型、健康状態、顔の表情さえも、あなたが内面で抱いている思考や感情、期待が鏡のように映し出された結果なのです。
 あなたの唇を構成する原子や分子が、あなたの名前を知っているわけではありません。
 しかし、あなたの内なる自己からの指示に従い、それらの音節を完璧に形成するのです。

 まさに、あなたの思考や感情という、目に見えないエネルギーが特定の周波数に同調するように物質を組織し、あなたという存在をこの世界に顕現させているのです。
 セスは、外側の現実は「内なる願望のレプリカ」であると断言します。
 あなたが自分の人生のアーティストであるならば、あなたの肉体は、あなたが描く自画像の最も精巧な作品と言えるでしょう。

現実を形作る「信念」という設計図

 では、その「生きた絵」や「自画像」の元となる設計図は何なのでしょうか?

 セスも、そして同じく高次の視点から語るバシャールも、その答えは「信念(Beliefs / 観念)」であると口を揃えます。

 セスが本書で最も強調するのが、「あなたは、自分自身の信念と期待を通じて、あなたの経験の織物を創り上げる」という点です。

 私たちが心の奥底で「これが真実だ」「これが現実の仕組みだ」と固く信じ込んでいること、それが「信念」です。

 そして、私たちはその信念というフィルターを通してしか世界を見ることができません。
  多くの場合、私たちは自分の信念を、客観的な「現実の特性」そのものだと勘違いしてしまいます。

セスの言葉
「それら(信念)は、現実についての信念として認識されるのではなく、現実そのものの特性と見なされる。あまりにも頻繁に、そのような考えは議論の余地がないように見える。あまりにもあなたの一部であるため、その正当性について思索することすら思い浮かばないのだ。」

 例えば、「自分は人付き合いが苦手だ」という信念を持っている人は、それを疑いようのない事実だと捉え、他者との交流を避けたり、気まずい思いをしたりする現実を体験し続けます。
 その信念が、そのような現実を引き寄せ、創造していることに気づかないのです。
 このような、当たり前すぎて疑うことさえしない信念を、セスは「見えない前提(invisible assumptions)」と呼び、これこそがあなたの個人的現実を色付けし、形作っているのだと指摘します。

 幸いなことに、信念は絶対的なものではなく、変えることが可能です。
 そのための第一歩は、まず自分自身の信念の存在に気づくことです。

セスの言葉
「あなたは、自分がどんな信念を持っているのかを知るために、自分の意識的な心を自由に探求させなければならない。なぜなら、信念をまず認識しない限り、それを変えることはできないからだ。」

この記事を読み進める中で、ぜひ一度立ち止まり、「自分は世界について、他者について、そして自分自身について、一体何を信じているのだろう?と問いかけてみてください。

 その答えの中に、あなたの現実を動かす鍵が隠されています。

想像力と感情:信念を現実化するエンジン

 信念が現実の「設計図」だとすれば、その設計図に命を吹き込み、三次元の世界に具現化させるためのエネルギー、それが「想像力」「感情」です。

 セスによれば、想像力は、あなたの信念に生命力を与え、物理的な体験へと駆り立てる動機付けの力となります。
 あなたが特定の信念を持つと、あなたの想像力はその信念に沿ったイメージを自動的に描き始めます。

 例えば、「自分は成功できない人間だ」という信念を持っていると、想像力はあなたが失敗する姿や、他者から見下される場面を次々と映し出すかもしれません。
 そのパワフルなイメージが、信念を現実化するプロセスを加速させるのです。

 一般的に、私たちは「感情に振り回されてネガティブな思考に陥る」と考えがちです。
 しかし、セスの視点は全く逆です。「あなたの意識的な思考(信念)が、あなたの感情を決定するのであり、その逆ではない」のです。

 つまり、あなたが抱く感情は、あなたが持つ信念に対する自然な反応だということです。

  • 「自分は無価値だ」という信念を持っていれば、無力感や悲しみといった感情が湧き上がります。
  • 「世界は信頼できる場所だ」という信念を持っていれば、安心感や喜びといった感情が生まれます。

感情そのものに「良い」「悪い」はなく、それらは単に信念という源泉から流れ出るエネルギーなのです。

 もしあなたが「自分は価値がない」と信じているのに、無理やり「自分は素晴らしい」と感じようとしても、その試みは心の奥深くで不協和音を奏でるだけです。

 セスは、まずその根底にある信念に正直に向き合い、感情を手がかりにその源泉を探ることの重要性を説きます。

あなたの肉体は、信念が創り出す「生きた彫刻」である

 セスが示す現実創造の法則は、私たちの最も身近な創造物である「肉体」の仕組みを理解する上で、驚くべき洞察を与えてくれます。

 あなたの肉体は、あなたが生まれてきた時に一度だけ創られ、あとは機械のように消耗していくものではありません。
 それは、あなたの信念という青写真に従って、原子や分子のレベルで絶え間なく、瞬きする間もなく創造され続けているのです。

 そして、この創造プロセスにおいて重要な役割を果たしているのが、あなたの思考が持つ「内なる音(inner sound)」というユニークな概念です。

セスの言葉
「あなたの思考は、電磁気的な現実を持っているだけでなく、あなたが知っているかどうかにかかわらず、『内なる音』の価値も持っている。…その音はあなたの肉体の原子や分子に影響を与える。」

これは単なる比喩ではありません。
 あなたが心の中で呟く言葉は、その言語に関わらず、あなたの「意図」に応じた固有の響き(波動)を持ち、それが直接あなたの細胞に指示を与え、肉体の状態を変化させます。
 「私は疲れている」と心の中で唱えるとき、その言葉の意図が持つ特有の響きが、瞬時にあなたの全身の細胞に伝達され、身体は忠実に疲労という状態を再現し始めます。

 この「内なる音」を生み出す大元は、やはりあなたの「信念」です。
 あなたの信念が、あなたの肉体の状態を決定する究極の青写真となるのです。

セスの言葉
「あなたの信念が青写真を形成し、それによってあなたは自分の肉体を創り上げる。あなたがそれを知っていようがいまいが、関係ない。あなたの肉体は、あなたが自分は何者で、どのような存在であるかについての信念に沿って、無意識のレベルで常に形成され、維持されている、自動的な創造物なのである。」

この観点は、バシャールが説く「病気もまた、私たちの観念が創り出す現実の一側面である」という教えと完全に一致します。
 セスの教えは、その信念がどのようにして生物学的なレベルにまで影響を及ぼすのか、その驚くべきメカニズムを解き明かしてくれるのです。

まとめ:現実創造の力を取り戻すために

ここまで、セスが示す現実創造の基本法則について見てきました。

  • 私たちの現実は、意識が描く「生きた絵」である。
  • その設計図となっているのが、私たちの「信念」である。
  • 想像力と感情は、その信念を現実化する強力なエネルギーとなる。
  • そして、最も身近な創造物である私たちの肉体でさえ、信念に従って絶え間なく創られている。

これらの法則を理解することは、あなたが人生の被害者ではなく、紛れもない「創造主」であることを思い出すための第一歩です。
 あなたは、自分自身の思考と信念を変えることによって、現実を変える力を持っているのです。

まずは今日一日、あなたがどのような「内なる対話」を自分自身としているか、少しだけ耳を澄ませてみてください。それが、あなたの現実を創造している最も強力な呪文なのです。

 しかし、こう思うかもしれません。

「では、なぜ私たちは望まない信念を持ってしまうのだろうか?」
「その信念の対立が、具体的にどのような問題を生むのか?」

次の中編記事では、これらの疑問に深く踏み込み、私たちが抱える心身の問題や「罪悪感」の正体、そして真の癒しへと至る道筋について、セスのさらなる叡智を探求していきます。

ブログ記事を読んでさらに見識を深めたいと思ったらぜひ本書を手に取ってみてください。
日本語版・英語版ともにリンクを貼っておきます。<(_ _)>

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