2036年からの使者ジョン・タイター:家族が語る真実と使命

※ 当サイトはアフェリエイト広告を利用しています。

 21世紀初頭、インターネットの匿名掲示板に、自らを「2036年からやってきたタイムトラベラー」だと名乗り、未来の世界、タイムマシンの詳細、そして我々の社会に対する鋭い洞察を、約4ヶ月にわたって書き込み続けました。
 彼の名はジョン・タイター。
 彼の言葉は、当時のインターネットユーザーに衝撃を与え、瞬く間に世界中に拡散しました。
 タイムトラベルの可能性、これから訪れるとされる未来への不安、そして何が真実で何が虚構なのか。
 タイターが残したメッセージは、私たちの好奇心と想像力を掻き立て、20年以上経った今でも、熱心な議論と探求の対象となっています。
 この記事では、書籍『未来人ジョン・タイターの大予言』と、彼に関する様々な情報を元に、その人物像や起源・目的などを考察も含めまとめてみました。
 ジョン・タイターに関する作成した記事は全部で3つあり、今記事は最初の1記事目になります。

目次

ジョン・タイターとは何者か?突如現れた未来からの訪問者

 ジョン・タイターが最初にその存在を示唆したのは、1998年、アメリカの人気ラジオ番組「アート・ベル・ショー」へのFAX送信だったと言われています。
 そして2000年11月、彼は「TimeTravel_0」というハンドルネームで、あるインターネット掲示板に本格的に書き込みを開始しました。
 彼は一貫して、自らを「2036年から来たアメリカ軍所属の軍人」であると主張。
 軍事的な任務のため1975年へタイムトラベルした後、個人的な理由で2000年に立ち寄り、任務完了後に未来へ帰還すると語りました。
 彼の書き込みは、当初こそ懐疑的な目で見られましたが、タイムトラベルの理論や未来に関する具体的で詳細な描写、そして時折見せる人間味あふれる言葉によって、次第に真剣な議論を呼ぶようになります。

 タイターの物語を裏付ける(あるいは、さらに複雑にする)存在として、彼の母親と弁護士を名乗る人物が登場します。
 母親を名乗る女性は、2003年に出版された書籍『JOHN TITOR A TIME TRAVELER’S TALE』(本書籍『未来人ジョン・タイターの大予言』の原書)に手紙を寄せ、1998年4月に未来から来たと称するジョン・タイター(成人)が訪ねてきた日から、2001年3月に彼が去るまでの「奇妙な共同生活」について語っています。
 彼女によれば、未来から来たジョンは、当時まだ幼かった「この世界線の息子ジョン」と共に過ごし、まるで弟を見守るかのように接していたといいます。
 また、タイターは、1975年に祖父(母親の夫の父)に対し、家族に2000年問題への備えをさせる約束をしたために、1998年に現れたと説明したそうです。

 一方、弁護士ラリー・ハーバー氏(と書籍では紹介されている)は、2003年1月にタイターの両親と名乗る夫婦が法律事務所を訪れ、未来から来た息子ジョン・タイターに関する一切の事柄に終止符を打ちたいと相談を受けたと述べています。
 彼らは写真や書類、書き込みのコピーなどを提示し、その話には説得力があったと弁護士は語ります。
 これらの証言は、タイターの物語に現実味を与える一方で、その真偽を確かめる術はなく、さらなる謎を提供しています。

タイターが語った「使命」:IBM 5100を求めて

 ジョン・タイターが我々の時代、正確には過去の1975年にタイムトラベルした最大の目的は、特定のコンピュータを入手することでした。
 そのコンピュータとは、1975年にIBM社が発売したポータブルコンピュータ「IBM 5100」です。

1975年製のIBM 5100の画像

 一見、旧式のコンピュータに思えるIBM 5100ですが、タイターによれば、このマシンには2036年の世界で必要とされる、ある「隠された機能」が搭載されていたといいます。
 それは、当時の主要なプログラミング言語であるAPLやBASICだけでなく、IBMの古いメインフレームのプログラム言語(エミュレーション)も読み解くことができるという特殊な能力でした。
 タイターの説明では、2036年の世界では、過去のレガシーシステム(特にUNIXベースのシステム)のデバッグ(プログラムの修正)が急務となっており、その際に多様な古い言語を翻訳・解読できるIBM 5100が不可欠だったのです。
 特に、多くのインフラを支えるUNIXシステムが2038年に時間に関する重大なバグ(いわゆる2038年問題)で停止してしまう可能性があり、その対策のためにIBM 5100が必要だと語っています。
 興味深いことに、このIBM 5100の「隠し機能」については、後にIBMの元エンジニアがその存在を認め、タイターの主張を裏付ける形となりました。
 これは、タイターの言葉に信憑性を与える数少ない客観的な事実の一つとされています。

 タイターが命がけで過去のコンピュータを回収しに来たという事実は、彼が語る2036年の状況、すなわち、大規模な戦争や社会インフラの崩壊によって、過去の技術や情報が失われ、それらを再収集する必要性に迫られているという未来像を暗示しています。

 彼の「使命」は、単なるコンピュータ回収に留まらず、彼が生きていたとされる未来世界の断片を垣間見せるものでした。

 ジョン・タイターは、自身が使用するタイムマシンについても、比較的詳細な情報を公開しています。
 彼によれば、そのマシンはゼネラル・エレクトリック社製(とされる)「C204型重力歪曲時間転移装置(C204 Gravity Distortion Time Displacement Unit)」と呼ばれるものでした。

引用 月刊ムー2022年7月号

 タイターの説明によると、このタイムマシンは、強力な重力場を人工的に生成し、それを操作(歪曲)することで時空を移動する原理に基づいています。
 具体的には、装置の中心に2つの「ミクロ特異点(マイクロブラックホール)」を生成・制御し、それらの相互作用によって生じる時空の歪みを利用して時間移動を行うとされています。
 これはアインシュタインの一般相対性理論における「重力は時空を歪ませる」という考え方を応用したものと言えます
 タイターは、タイムマシンは自動車(当初は1967年型シボレー、後に1987年型4WD車)に搭載可能なサイズで、重量は約250kg、移動中は搭乗者に約2Gの負荷がかかると述べています。

引用 月刊ムー2022年7月号

 タイターのタイムトラベル理論で最も重要な概念の一つが「世界線のズレ(Divergence)」です。
 彼は、タイムトラベルを行うたびに、元の世界線とは僅かに異なる「別の世界線(パラレルワールド)」に移動してしまうと説明しました。
 そして、彼が2036年からやってきた我々の世界線は、彼が元々いた世界線とは約1~2%(後に最大2.5%とも)ズレていると主張したのです。

 この「ズレ」は、タイムトラベルの距離が長くなるほど大きくなり、C204型マシンでは一度に移動できるのは約60年が限界で、それ以上移動すると元の世界線とのズレが大きくなりすぎて、予測不可能な全く異なる世界にたどり着いてしまう危険性がある、とも述べています。
 この「世界線のズレ」という考え方は、タイムトラベルが決して単純な過去や未来への移動ではなく、無数に存在する可能性としての「並行世界」を渡り歩く行為であることを示唆しています。
 この詳細な理論については、次回の記事でさらに深く掘り下げます。

タイターが見た「我々の時代」への視線

 2036年から来たとされるジョン・タイターは、2000年前後の我々の社会に対して、未来人の視点から様々な感想や批判を述べています。
 彼が特に驚き、そして嘆いていたのは、現代社会の「無駄」と「無関心さ」でした。
 ファーストフードや加工食品の安全性への疑問、人々がテレビばかり見て読書やおしゃべりの時間を失っていること、必要もない製品を大量に生産・消費する社会システム、そして、周囲で苦しんでいる人々への無関心さなど、彼の目には21世紀初頭の世界が、自己中心的で怠惰、そして多くの問題を抱えた時代として映っていたようです。
 
 また、彼は当時のコンピューターソフトウェアの信頼性の低さにも驚きを示しています。
 エラーやクラッシュが頻発する状況が「普通」であることに衝撃を受け、未来でははるかに信頼性の高いシステムが構築されていることを示唆しました。

 一方で、彼は現代社会の「自由」については肯定的な評価もしています。
 しかし、その自由の代償として、家族や地域との連帯感が失われているのではないか、とも指摘しています。

 彼がなぜインターネット掲示板という公の場で未来や自身のことを語ったのか、その明確な理由は本人も語っていません。
 しかし、彼の書き込みからは、単なる情報提供者としてだけでなく、我々の社会や生き方に対して、未来からの視点で「警鐘」を鳴らしたい、あるいは、タイムトラベルという概念を通じて人々の思考を刺激し、来るべき変化への「心構え」を促したい、という意図も読み取れるかもしれません。

まとめ

 ジョン・タイターという存在は、私たちに多くの問いを投げかけています。
 彼は本当に未来から来たのか? 彼の語った使命やタイムトラベルは真実なのか?
 そして、彼が垣間見せた未来像は、私たちの現実とどう繋がっているのか?
 彼の出現は、時間、現実、そして私たち自身の存在について、改めて深く考えさせるきっかけを与えてくれました。
 彼の物語の信憑性を完全に証明することは、現時点では不可能です。
 しかし、その詳細な描写、一貫性のある語り口、IBM 5100の隠し機能といった具体的な情報の提示、そして時折見せる人間的な感情や葛藤は、多くの人々を惹きつけ、単なる作り話として片付けることを躊躇させます。
 彼を直接知るとされる家族や弁護士の証言も、そのミステリーを一層深めています。
 だからこそ、彼の登場から20年以上が経過した今もなお、その真偽を巡る議論は絶えることがないのでしょう。
 ジョン・タイターの物語は、単なるタイムトラベラーの記録に留まりません。それは、未来への警告であり、現代社会への問いかけであり、そして、時空を超えた可能性への探求でもあります。

次回の記事では、今回触れたタイムトラベル理論の詳細、彼が行った具体的な未来予言とその検証、そして現代科学やスピリチュアルな視点も交えながら、ジョン・タイターが残したメッセージの核心にさらに深く迫っていきます。

 本書はジョン宛てに書き込まれた質問とそれに回答するジョンのコメントで構成しつつ、現実世界に生きるジョンの母親の話も交えながら、Q&A方式で進んでいきます。
 また、タイムトラベルの理論に迫りながら、タイムマシンの写真公開、予言の検証なども収録しています。

 ジョンタイターについて、さらに深掘りしてみたい方は是非手に取ってみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
目次
閉じる