ラー文書 第五巻 要約と解説【前編】:封印された交信の始まりと「ワンダラー」の謎

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 1981年から1984年にかけて、ドン・エルキンス、カーラ・L・ラッカート、ジム・マッカーティの3人によってチャネリングされた「ラー文書(一なるものの法則)」は、スピリチュアルな探求の道において、その深遠な宇宙観と哲学は、私たちの意識の根源を揺さぶり、存在の真理へと誘います。

 しかし、全5巻からなるその壮大な記録の中で、第5巻だけが異質な光を放っていることをご存知でしょうか。
 それは「個人的な資料(Personal Material)」と名付けられ、最初の4巻の出版時には意図的に伏せられた、生々しい人間ドラマと衝撃的な情報が収められた禁断の書とも言える内容でした。

 なぜ、この情報は封印されなければならなかったのか? なぜ、今になって公開されたのか?

 この【前編】では、これまで語られなかった第5巻出版の背景を紐解き、ラーとの最初の接触で交わされた未公開の対話、そして私たちの常識を覆すUFOや陰謀論、さらには多くの魂が心の奥底で感じているであろう「自分はどこから来たのか?」という問いに光を当てる「ワンダラー」という概念について、深く要約・解説していきます。

 高次の哲学が、いかにして私たちの日常の葛藤や苦悩、そして愛と結びついているのかを探っていきます。

本記事のラジオ形式の音声版をご用意いたしました。
文章を読む時間がない時や、リラックスしながら内容を深く味わいたい時などにご活用いただければ幸いです。

目次

なぜ第五巻は「個人的な資料」なのか?:これまで語られなかった出版の背景

 「ラー文書」の最初の4巻を読まれた方なら、その哲学の純粋性と一貫性に感銘を受けたことでしょう。

 しかし、その背後には、私たちと同じように悩み、苦しみ、愛し合う生身の人間の姿がありました。

 第五巻が「個人的な資料」として、当初公開されなかった理由は、まさにそこにあります。

 交信グループの一員であるジム・マッカーティは、序文でその理由を次のように語っています。

 「この本の資料が伏せられたのは、それが主に個人的な性質のものであり、もし公開されれば、読者が情報そのものに集中するのではなく、その背後にいる人物像に過度に関心を持つようになるだろうと感じたからです」。

 高次の情報を受け取る際、私たちはしばしば「誰が」言ったのかに囚われ、情報の純粋な価値を見失いがちです。

 ラーとの交信は、あくまで「一なるものの法則」という普遍的な真理を伝えるためのものであり、ドン、カーラ、ジムという特定の個人を神格化するためのものではありませんでした。

 彼らは、自分たちが「あなた方と何ら変わりのない、同じ人間である」ということを強調したかったのです。

 第5巻の公開を決意させたもう一つの大きな出来事が、質問者であったドン・エルキンスの死です。

 ラーとの交信は、この3人の調和したエネルギー場があって初めて可能となった、非常に繊細なものでした。
 ドンが「質問者」として知的な探求の方向性を定め、カーラが「媒体」として自らを明け渡し、ジムが「書記」としてエネルギーを安定させ、記録するという、それぞれの役割が不可欠な歯車として噛み合っていました。
 この三位一体の構造が崩れることは、交信のチャネルそのものが失われることを意味しました。

 そのため、1984年11月にドンがこの世を去ったことで、ラーとのコンタクトは物理的に終わりを告げました。
 彼の死後、残されたジムとカーラは、すべての情報を公開することが、彼らの奉仕の完了を意味すると感じたのでしょう。
 カーラは、ドン・エルキンスを「私が個人的に出会った中で唯一の真に偉大な男性」と称え、彼の探求心と知性こそが、ラーとのコンタクトを実現させた原動力であったと深く敬愛の念を示しています。

 第5巻は、この偉大な探求者の人間的な側面を伝える、貴重な記録でもあるのです。

 カーラは、この個人的な資料を公開する意義について、さらに踏み込んで語ります。

 「読者はこれらの断片から、私たちが人類の他の人々と同じように愚かであり、このチャネリングの源と混同されるべきではないことを間違いなく見るでしょう。これは価値あることだと私は考えます」。

 この言葉は、私たち探求者にとって非常に重要です。

 完璧な聖人だけが真理に触れられるのではなく、欠点や弱さを抱えた人間が、それでもなお誠実に光を求めるとき、宇宙は応答してくれるのです。

 第5巻は、高次の哲学が展開される現場の「生々しさ」を伝えることで、私たち自身の不完全さを受け入れ、それでも探求を続ける勇気を与えてくれます。

ラーとの最初の接触:未公開だったセッション1の「宇宙の説教」

 第5巻の冒頭を飾るのは、記念すべきセッション1の、これまで未公開だった部分です。

 通常、ラーとの交信はドン・エルキンスの質問にラーが答えるという形式で進みますが、この最初の接触だけは異例の形で始まりました。

 それは、ブラッド・スタイガーが言うところの「宇宙の説教(cosmic sermonette)」とも呼べるものでした。

 ラーは、カーラという媒体(instrument)を通して初めて語りかける際、まず自分たちが「狭帯域の振動(narrow band vibration)」を送るため、彼女が正確に同調するまで待たねばならなかったと述べています。

 この「狭帯域」という言葉は、ラーとの交信がいかに高純度で、精密なチューニングを必要とするかを物語っています。  それは、単にチャネルを開くという行為以上のもの、つまり媒体自身の心・身体・精神が、極めて特定の周波数に共振できる状態になることを意味します。  そして、質疑応答に入る前に、ラーは自らの意志で語り始めました。

「友よ、我々が知っているように、すべての物、すべての生命、すべての創造物は、一つの原初の思考の一部である、というのが、無限なる創造主に仕える惑星連合が持つ唯一の重要な声明です。」  ラー文書第5巻より

 この言葉は、「一なるものの法則」の核心、すなわち宇宙の根本的な真実を凝縮したものです。
 私たちが目にする多様な世界、分離しているように見える無数の生命や物質は、すべて根源においては、たった一つの意識、一つの思考から生まれた現れであるという真理。
 ラーは、この最もシンプルで深遠な理解の欠如こそが、私たちが「物質的な宇宙」の中で、分離感、対立、苦しみといった不調和なパターンを延々と繰り返す根本原因なのだと指摘します。

 ラーは私たちに問いかけます。

「今日、あなたはどのような思考をしましたか? 今日、あなたの思考の中に、原初の思考の一部であったものはありましたか? あなたの思考のどれだけに、創造が宿っていましたか? 愛は含まれていましたか? そして、奉仕は自由に与えられましたか?」 ラー文書第5巻より

 これは、私たちの日々の意識のあり方を問う、鋭い問いです。
 私たちは日常の中で、どれだけ根源的なつながりを意識し、愛と奉仕に基づいて思考し、行動しているでしょうか?

 ラーは、私たちが自分自身を「原初の思考の一部」であると完全に把握していないために、心、身体、精神が不調和な動きをしていると優しく諭します。

 この短い説教は、ラー・コンタクト全体の目的が、単なる知的好奇心を満たすことではなく、私たち一人ひとりが自己の神聖さを思い出し、日々の意識を変容させることにあるのだと明確に示しています。

物議を醸すUFOと陰謀論:ラーが語った地球製UFOとオリオン・グループ

 第5巻が当初封印された大きな理由の一つが、ここにあります。
 セッション8で、ドン・エルキンスはUFOの着陸に関する質問をしました。
 その答えは、多くの人が眉をひそめるような、いわゆる「陰謀論」の領域に踏み込むものでした。

 ラーは、当時地球で目撃されていたUFOの一部は、「あなた方自身の種族(your own people)」、具体的にはアメリカなどの軍産複合体によって作られたものであると述べました。
 その技術の源流は、彼の死後、政府機関によって押収された天才科学者ニコラ・テスラの論文にあると示唆されています。
 これは、私たちが一般に知る科学技術の歴史の裏で、全く異なるレベルのテクノロジーが秘密裏に開発されていた可能性を示唆するものです。

 ラーによれば、これらの機体は平和的な輸送用ではなく、明確に「兵器」としての目的を持ち、その意図は「潜在的な破壊的利用」にあるとされています。
 動力源は、テスラが研究していたとされるフリーエネルギーの概念とも共鳴する「地球の電磁場エネルギー」であり、これは化石燃料に依存する現代文明とは根本的に異なるパラダイムの技術です。

 そして、その秘密作戦の規模は驚くべきものでした。
 
 ラーは、バハマ沖やチリ沖といった広大な海の底深くに、さらには人類が到達したはずの月面にさえも、これらの兵器を格納する基地が存在し、当時アメリカだけで573機もの機体を保有していたと具体的に語りました。
 この情報は、長年UFO現象を科学的に探求してきた質問者のドン自身が、「信じがたい」と何度も疑念を呈するほど衝撃的なものでした。
 それは単に未知の技術の話ではなく、長年にわたって国家レベルの巨大な秘密が維持され、国民が全く知らないところで地球外の領域にまで軍事活動が及んでいるという、民主主義社会の根幹を揺るがす可能性を秘めていたからです。
 ジム・マッカーティは、この種の情報が霊的進化の本質から注意を逸らす「一時的な情報(transient information)」であるため、当初の出版から削除したと解説しています。

征服を目的とするオリオン・グループ

 さらにラーは、もう一つのUFOの飛来元として、ネガティブな奉仕(自己への奉仕)を選択した**「オリオン・グループ」**の存在を明かします。

 彼らの哲学は、ポジティブな奉仕(他者への奉仕)を旨とする惑星連合とは全く対極にあります。

 惑星連合が他者の自由意志を尊重し、「呼びかけ」に応じて初めて援助の手を差し伸べるのに対し、オリオン・グループの行動原理は支配とコントロールに基づいています。

 彼らの目的は、惑星連合のような慈悲深い奉仕ではなく、自らの力を拡大するための「征服」であると、ラーは明確に断言しています。

 ラーが語るオリオン・グループの活動方法は、彼らの哲学を如実に反映しています。

  1. 人間の誘拐とプログラミング:
     これは単なる物理的な拉致に留まりません。
     彼らは地球人の精神に介入し、特定の思考パターンや行動を植え付ける「プログラミング」を施します。
     ラーによれば、これには複数のレベルが存在し、最も深いレベルのプログラミングを受けた人間は、その魂の輝きを失い、オリオン・グループの意のままに操作される「ビーコン(標識)」のような、 lifeless(生命のない)存在に変えられてしまうとされています。
     これは、個人の自由意志を完全に踏みにじる行為であり、自己への奉仕の道の究極的な現れと言えるでしょう。
  2. 地下基地の建設:
     彼らの活動は、地上からではほとんど探知不可能な、地球の深部で秘密裏に行われます。
     ラーによれば、彼らは特に南米やカリブ海、そして北極といった、地球のエネルギーグリッドや磁場が特殊な意味を持つ地域を選び、水中のルートを通じて地殻内へと侵入し、人知れず広大な地下活動拠点を建設しているのです。

     これらの拠点は、単なる隠れ家ではありません。

     それは、地球固有の強力なエネルギー(レイラインやヴォルテックスなど)を直接利用し、それを彼らのネガティブな目的に合わせて変調・増幅させるための、いわば「サイキックな放送局」としての機能を持っています。
     そこから、彼らは人類の集合意識のネットワークに向けて、恐怖、疑念、対立、そして分離感といった低周波の思考形態を絶えず送り続けているのです。
     この影響は、社会に存在する既存の緊張や対立を巧妙に増幅させ、人々が互いを敵とみなし、不信感を抱くように仕向けます。
     
     その最終的な目的は、人類が「一なるものの法則」に目覚めるのを妨げ、惑星全体の意識振動を低いレベルに留めておくことで、支配とコントロールを容易にすることにあります。
     これは、物理的な征服以上に狡猾で、魂のレベルにまで及ぶ、静かなる侵略と言えるでしょう。

 これらの情報は、私たちの牧歌的な宇宙観を覆し、宇宙には光だけでなく、深い闇もまた存在するという厳しい現実を突きつけます。
 しかし、ジムとラーが共に強調しているのは、こうした情報に心を奪われ、恐怖に囚われることこそが、彼らの思う壺であるという危険性です。

 ジムは、陰謀論に集中することが「分離の幻想を強化し、すべてのものを一つとして結びつける愛を無視する傾向がある」と警告します。
 ラーとの交信が「狭帯域」であったのは、心・身体・精神の進化という純粋なテーマに焦点を合わせていたからです。
 一時的な情報を追い求め続けると、ラジオのダイヤルがずれて別の局を受信するように、ポジティブな情報源とのつながりが失われ、代わりに不正確な情報でグループを混乱させ、その光を奪うことを目的とするネガティブな存在を引き寄せてしまう危険性があるのです。

 この部分は、私たち探求者にとって極めて重要な教訓を含んでいます。

 スピリチュアルな探求の道において、私たちはしばしばセンセーショナルな情報や隠された陰謀、世界の終末といったドラマチックなシナリオに魅了されます。
 しかし、そうした情報に意識を向けることは、私たちのエネルギーを恐怖、怒り、無力感といったネガティブな感情に結びつけてしまいます。
 それは、オリオン・グループがまさに望んでいる、惑星全体の意識振動を下げる行為に他なりません。

 真の霊的成長は、外側の世界の出来事の善悪を裁き、敵と味方を分けることによってもたらされるのではありません。
 それは、いかなる状況の中にあっても、内なる自己と向き合い、**「すべてのものに創造主を見出し、愛する」**という「一なるものの法則」の普遍的な実践を通してのみ達成されるのです。

私たちは何者なのか?:ワンダラーという概念とメンバーの使命

 「なぜか昔からこの世界に馴染めない」
 「故郷は別の場所にあるような気がする」。
 多くの人が抱えるこの根源的な孤独感の正体について、ラーは「ワンダラー(Wanderer / 放浪者)」という概念を用いて光を当てます。

 セッション12で、ラーは交信グループの3人(ドン、カーラ、ジム)が全員ワンダラーであると認めました。
 ワンダラーとは、より高い密度(第四、第五、第六密度など)から、現在の地球(第三密度)が「収穫(harvest)」と呼ばれるアセンションの時期を迎えるにあたり、惑星の意識振動を高める手助けをするために、自らの意志で転生してきた魂たちのことです。

 彼らは、地球の魂たちが助けを求める「惑星の呼びかけ」に応え、奉仕のためにやって来ました。
 しかし、彼らもまた、地球に生まれる際に「忘却のヴェール」をくぐり抜けるため、自分が何者で、何のためにここに来たのかを完全に忘れてしまいます。

 ラーによれば、ワンダラーたちはしばしば地球での生活に困難を抱えます。
 その主な原因は、彼らの故郷である高密度の振動と、地球の第三密度の重い振動との間に不一致があるためです。

 これにより、以下のような特徴が現れることがあります。

  • 身体的な不調:
     特にアレルギー反応として現れることが多いとされています。
     これは、地球の環境(食べ物、大気、植物など)に対して、身体が拒絶反応を示している状態です。
  • 精神的な疎外感:
     周囲の人間関係や社会の価値観に馴染めず、深い孤独感や疎外感を抱える傾向があります。
     彼らは無意識のうちに、より調和のとれた故郷の記憶を保持しているため、地球の不調和に対して非常に敏感なのです。

 ジム・マッカーティは、「地球上の約70人に1人がそのような起源を持つようだ」と述べています。
 しかし彼は同時に、ワンダラーであるという事実が、霊的なエゴや優越感につながることを強く戒めています。

 カーラは、ワンダラーの使命について、より深く考察しています。

私たちの主な使命は、ただ生きること、空気を吸い、私たちの中にある愛を流すことです。(中略)献身的に生きることは、必ずしも隠者や巡礼者になることを意味しません。(中略)日々の出来事こそが最も神聖なのです」 ラー文書第5巻より

 ワンダラーの真の奉仕とは、何か特別なことを成し遂げることではありません。
 この困難な第三密度の世界で、ただ自分らしく存在し、日々の生活の中で意識的に愛を体現し、その光を周囲に放つこと。
 それ自体が、惑星の意識を癒し、高めるための最もパワフルな奉仕となるのです。

 あなたがもし、この世界に違和感を覚え、自分はここに属していないのではないかと感じているのなら、あなたもまた、星々からの呼びかけに応えた勇敢な魂、ワンダラーなのかもしれません。

まとめ:前編で明かされたこと、そして中編で描かれる「霊的試練」へ

 この【前編】では、「ラー文書 第五巻」がなぜ封印されていたのかという背景から始まり、ラーとの記念すべき最初の接触、物議を醸すUFOや陰謀論の真相、そして私たちの魂の起源に関わる「ワンダラー」という深遠な概念までを解説してきました。

 私たちは、高次の哲学が、決して私たちとかけ離れた場所にあるのではなく、ドン、カーラ、ジムという、私たちと同じように悩み、愛し、間違う人間たちの生々しい営みの中から紡ぎ出されたものであることを見てきました。

 しかし、彼らの旅は始まったばかりでした。
 光が強ければ強いほど、影もまた濃くなります。
 ラーという純粋な光との接触は、同時に、彼らの内なる弱さや不調和を浮き彫りにし、そして闇からの干渉を招き寄せることにもなりました。

 続く【中編】では、この光の奉仕に伴う避けられない試練、「サイキック・グリーティング(霊的攻撃)」との壮絶な闘いに焦点を当てていきます。
 カーラの身体を蝕む病の原因、ジムの内なる怒りの正体、そしてそれらの個人的な課題が、いかにして宇宙的な闇の勢力によって利用され、増幅されていったのか。そして、その試練を乗り越えるためにラーが示した、愛と叡智に満ちた具体的な処方箋とは何だったのか。

 彼らが直面した霊的試練の物語は、私たち自身の内なる闇と向き合い、それを光に変容させていくための、貴重な道しるべとなります。

「The Law of One・ラー文書」の資料の本拠地である L/L Research のウェブサイトです。
もし興味があったら、日本語訳にして読んでみてください。

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